「知」「徳」「体」をバランス良く育成
生徒主体で「生きる力」を身につける
本校は1978(昭和53)年の創立以来、「心豊かなリーダーの育成」を教育理念として、将来、国際社会に貢献できる人材の育成に取り組んでいます。教育方針は「規律ある進学校」。これは創立以来46年間変わらずに受け継いできたものです。一方で、これからの教育には子どもたちの「生きる力」を育むことが必要だと考えています。それには「知」(確かな学力)・「徳」(豊かな人間性)・「体」(健康・体力)をバランスよく育成することが大切です。新しい学習指導要領では、「生きる力」を育むために身につけさせたい資質・能力を「三つの柱」にまとめています。
◎学んだことを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力、人間性など
◎実際の社会や生活で生きて働く知識及び技能
◎未知の状況にも対応できる思考力、判断力、表現力など
これを実現するには失敗を恐れず主体的に動くことが一番と考え、本校では「生徒主体」を掲げて教育活動を行っています。
取手市など外部とのコラボで
SDGsにつながる活動も
生徒たちは主体的にSDGsにつながる活動などを行い、数々の実績を残しています。例えば、調理同好会では取手市と「食品ロス削減献立」を共同開発。シイタケの軸、長ネギの青い部分、ニンジンの皮など廃棄されることの多い食材を活用した給食の献立を考案しました。その献立は2月19日の「食育の日」に市内の小中学校と幼稚園、保育園で提供されました。また、有志の生徒4人は、制服の生地をバッグに再生する取り組みに参加し、取手駅で販売。売り上げを福祉団体に寄付しました。
海外研修、短期留学も再開
グローバル教育も充実
本校は中学から3つのコースに分かれ、志望大学に特化した学びを得られるのが特徴です。「医科コース」、「東大コース」、「難関大コース」(中学はそれぞれのジュニアコース)があり、生徒の夢を叶えるための環境を整えています。医科コースがあり、医学部合格者の実績が多いことも本校の特徴です。一方で、東大をはじめ筑波大、名古屋大など国公立大学の総合型選抜、学校推薦型選抜の合格者も多く輩出しています。
また、グローバル教育にも力を入れており、コロナ禍で中止となっていた海外研修も今年度から本格的に再開。高2でカナダ修学旅行に行くほか、希望者向けにイギリス・フランス研修旅行、ニュージーランド、オーストラリアへの短期留学、オーストラリアで3か月間学ぶターム留学など豊富な国際教育プログラムが用意されています。
山本 宏之 校長
取手市内の小中学校に提供する「食品ロス献立(給食)」を発表する調理同好会の生徒たち
海外研修も本格的に再開。イギリス・フランス研修に参加した生徒たち。パリの凱旋門の前で
提供:江戸川学園取手中・高等学校
中高一貫、少人数、英語・国際教育で
一人ひとりの「ギフト」を生かす教育
埼玉県唯一のキリスト教主義小学校として1953年に創設された本校は、その後、中学校、高校を増設し、12年一貫教育、1クラス25人の少人数教育、英語・国際教育、キリスト教主義という4つの特色をもつ教育を行っています。
2019年度からは、同じキリスト教信仰に立つ青山学院大学と教育理念およびアドミッションポリシーを共有する系属校となり、学力などの基準を満たした生徒は一定の枠内で同大学へ進学することが可能になっています。
本校は、聖書が示す愛に基づいて「神と人とを愛する人間 神と人とに愛される人間」を建学の精神としています。神さまから一人ひとりの人間に与えられているギフト、つまり才能や個性を大切に育む「ギフト教育」を実践しています。はじめに掲げた4つの特色は、このギフト教育を実現するための4本柱にほかなりません。
小1からの英語教育は
学校創設以来の伝統
1クラス25人・1学年75人の少人数教育と、中高一貫教育は、一人ひとりの個性や長所を的確にとらえ、きめ細かく丁寧に指導し、また、青少年期の大切な時期に人格と学力を伸び伸びと育てるために欠かせない条件です。
また、本校創立以来の伝統である小学1年からの英語教育では、外国人教師と日本人教師のチームによる授業を通して生きた英語力を育て、海外の姉妹校との交流を通して国際人としての素養を身に付けています。
さらに、神さまの愛を知り、与えられたギフトに気付き、ギフトを磨くための研鑽に努め、隣人のために進んでギフトを用いる人間を育てること。ここに本校のキリスト教教育の大きな意義があると考えています。
つい先日、医学部へ進み医師となった元生徒が自分の力を人のために活かしたいと考え、救急医療の現場を選んだという報告をしに来てくれました。これもまた本校のギフト教育が実を結んだ一つの形であると思います。
マルチメディア室を全面改修
海外研修は新企画を実施
今日、ICTの進歩と、グローバル化の進展がますます加速し、本校もこのことと無縁ではあり得ません。ギフト教育を時代の変化に応じて発展させる具体的な施策として現在、マルチメディア教室の改修と端末・OS・アプリの全面更新、図書館の改修と蔵書の拡充を進めています。国際教育については、今年から新たに小5~中2を対象としたオーストラリア研修を夏休みの8日間で実施することが決まっています。
福島 宏政 理事長・校長
中3から参加できる米国研修。前半は姉妹大学の寮で英語と異文化を学び、後半はホームステイで文化と生活に触れ国際感覚を育てる
フィールドイングリッシュの活動。英語を通して多様な自然や文化への理解を深め、世界の持続的な発展について考える
提供:浦和ルーテル学院小中高等学校
〒150-8366 東京都渋谷区渋谷4-4-25
中等部:TEL.03-3407-7463 高等部:TEL.03-3409-3880
詳しくは
中等部:https://www.jh.aoyama.ed.jp/
高等部:https://www.agh.aoyama.ed.jp/
大学まで一貫した教育体制の中で
一人ひとりの個性と自主性を育む
青山学院は明治初期にアメリカから来た3人の宣教師が設立した3つの学校がルーツとなり、今年で創立150周年を迎えます。本学のスクール・モットーは聖書の言葉である「地の塩、世の光」です。塩には味に深みを出し隠し味となり、料理を引き立てる役割があり、光は暗闇を照らし、温かみを伝えてくれます。本学ではこのような塩の役割を担いつつ世の光となるサーバント・リーダーの育成を目指しています。毎日2時間目と3時間目の間には礼拝が行われ、聖書を通してさまざまな社会問題、身のまわりの出来事などを見つめ直しています。聖書の教えを知ることは国際化の時代に世界の人々の考え方の根底を学ぶことにもつながります。物質的豊かさを求める世の中ですが、見えないものに目を注ぎ、人を思いやる心、愛することを大切にしてほしいと願っています。
海外に住む同世代の生徒たちと
交流する国際プログラム
本学ではキリスト教的な考えをベースにした国際交流プログラムを実施。実践的な体験を通してグローバル感覚を身につけます。中等部独自のプログラムとして夏休みのオーストラリアホームステイ、イギリスサマースクールプログラム、春休みには隔年で韓国・中国の学校訪問などを行っています。これらのプログラムでは同年代の中学生と交流する時間を設け、国や文化の違いを超えて多様性を共有します。多様性の受容は「ダイバーシティ」という言葉が一般的になる前から青山学院の伝統となっています。高等部に進むと、希望者は1年間の長期留学や、カナダホームステイ、イギリス、イタリアへの短期交換留学プログラムなどにも参加することが可能です。
知的好奇心を刺激し、
創造性を育む学習環境
本学ではメディアセンター(図書館)を核として各教科がメディアスペースを充実させた新しい学びの方式を採用。フロアごとに各教科の教材、教具、生徒の作品などが常時展開されたオープンスペースがあり、生徒たちの知的好奇心を刺激しています。また、アクティブラーニング型の授業を展開するなど、創造性を育む次世代型の学習環境を整えています。
2023年にはキャンパス内に「青学つくまなラボ」が誕生。この施設には大型の3Dプリンターやコンピューターなどの機器があり、初等部から大学・大学院までを対象に実験、研究の場として自由に利用できるようになっています。中等部でも選択授業や部活動などでこの施設を活用し、ゲームや3D作品などを制作しています。
上野 亮 中等部部長
この春の中国・北京訪問プログラムでは、北京大学附属中学の生徒たちと体育の授業で交流した
教科ごとに関連の資料や展示物などがあるメディアスペース。チャットルームで留学生と交流
学校を「知的で開放的な広場」に
順天堂大学の系属校として
可能生が広がる
本校は順天堂大学と23年度に教育提携を結び、24年度は同大初の系属校になりました。短期間で円滑に進展したのは、順天堂大学と本校に親和性があったからだと思います。順天堂大学の学是「仁」に対し、本校の建学の精神は「人を造る」。順天堂大学が掲げている「不断前進」の理念は、本校の「自己ベストの更新」に通じます。さらに出身校、国籍、性別に差別をしない「三無主義」の学風も、本校の多様性と共通しています。系属校になることで、内部進学枠を設けることになりました。例年医学部生志望者は十数名おり、内部進学枠は生徒のモチベーションをあげる動機になると期待しています。系属校化をきっかけに、2025年4月より医学部進学コース(仮称)を設けることになりました。入試は算数と理科の2科目、またはこれに英語資格か作文を加えた3科目の選択制で行う予定です。入学後の授業は理科と数学、さらに英語も実力に応じて取り出しで行えるよう検討しています。
生徒の個性を大切に
日本随一の多様な入試を実施
先に述べたように「多様性」は本校の特徴です。その象徴として「日本随一の多様な入試を行っている学校」と言われるように12種類もの入試を行っています。中学入試は4科目が定番ですが、受験生は同じ小学6年でも様々な学習歴を背負っているはず。勉強も大切な学習歴ですが、なかにはスポーツやピアノ、あるいはボランティアを頑張った子どもがいるかもしれない。実は私は小学校時代勉強が苦手で、野球ばかりしていました。メンバーの誰よりも野球に詳しかったので、監督代わりに采配し仲間の守備位置まで決めていました。みなさんも小学校時代に夢中になったことを「私の学習歴です」と、胸を張って披露してください。
100周年を記念して
新校舎を設立
宝仙学園は28年度に創立100周年を迎えます。その記念事業として一部校舎の建て替えを行います。新校舎にはサイエンスやグローバル、あるいは探究など、時代が求めている課題を、追究する学びの機能を持たせたいと思っています。
校長に就任するとき、学校を「知的で開放的な広場」にしようと考えました。知的とは自分の頭で考えること。自分で考えると、間違いを犯すリスクが高くなります。多いに間違えましょう。次へ進むための大切なステップです。開放的な広場の条件は、権威主義的な言動や振る舞いがないこと。本校では、上から押さえるような教育は行っていません。一人ひとりの個性を大切にし、本人の可能生をどこまでも伸ばすのが本校のポリシー。開放的な広場で、一緒に語らいましょう。
富士 晴英 校長
中学1年の教科「理数インター」の授業では、対話のきっかけをつくっている
生徒たちは行事などを通じて自信をつける。自己肯定感が高い子が多いのも同校の特色
提供:順天堂大学系属理数インター中学校・高等学校