“リビ充”とは、リビングを充実した空間にする暮らし方のこと。子育て世帯を中心に、個室ではなく、リビングでの時間を大切にする家庭が増えています。『AERA with Kids 春号』(朝日新聞出版)では、リビングでの学習空間づくりを中心に、“リビ充”をさらにバージョンアップさせる方法を取材しています。

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 今、勉強は個室でなく“リビング派”の子どもが増えているよう。住宅事情の関係もありますが、やはり一人で勉強するのは親子ともども心もとない。親が近くにいるリビングで、というのは自然の流れでしょう。とはいえ、親がついつい口を出しすぎて喧嘩になってしまうことも多いのでは?

「リビング学習の本質は『問題を解く子どもの監視』ではなく、『関わり合いながら学習を進める』こと」と話すのは、一級建築士で住宅リフォームコンサルタントの尾間紫さん。

「リビングであれば親の気配を感じながら学習できますし、『これなんだっけ?』『進んでる?』といった会話をしてコミュニケーションをとることができます。家族が集まって過ごしていて、その時にお母さん自身も楽しくくつろいでいる。そんな場所がリビング学習に適しているんです」

 また、リビングで家族一緒にやることととして、今注目を集めているのが「家族会議」です。家族それぞれの悩みや問題を共有して解決方法をさぐることで、子どもの思考力やコミュニケーション力もアップするそう。

 そんな家族会議を定期的に行っているU家。小5の双子の男の子がいて、毎日のように問題が勃発! もともとはゲームをやりすぎてゲーム機を没収されてしまった兄弟が、ゲーム再開に向けてルールを決めることにしたのが家族会議の始まりとか。

「夜中まで3時間本音で話し合いです(笑)。でも大人が一方的に決めつけず、自主的にルールを決められたのが良かったですね」とお母さん。

 家族会議は、話し合いたいことがある人が、事前にノートに申請しておくとお父さんから開催の日程が伝えられます。議題申請者が議長になり、発言するときはきちんと挙手するなど、なかなか本格的なスタイル。子ども達に自分の考えをきちんと発言してもらうため、両親は必ず最後まで話を聞いて、まずは否定しないというルールを設定。通らない意見のときはなぜダメだったかも説明するといいます。

「反対意見もきちんと聞いたり、論理的に話す練習にもなりますね」とお父さん。

 家族が集まり、一日の大半を過ごすリビング。それなら、なんとなく時間を共有するだけでなく、家族がいい関係を築けるようもっと工夫すれば本当の意味での「リビ充」になるのかもしれません。

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2018年 春号 [雑誌]

高濱正伸,安浪京子,tomekko

AERA with Kids (アエラ ウィズ キッズ) 2018年 春号 [雑誌]
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AERA編集部
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