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東大・医学部・海外大学 進学実績校編

柳沢(元開成)
 今日はこの3月まで9年間、開成の校長を務めた立場でお話いたします。開成は明治維新から間もない1871年、日本の教育界に新しい息吹を吹き込むべく佐野鼎により創設されました。基本理念は「開物成務」「ペンは剣よりも強し」「質実剛健」。校名の由来となった「開物成務」は中国の古典『易経』から採った言葉で、人間性を開拓し人としての務めを成すという意味があります。時代が求めるのはゼネラリストではなく、確固たる個性を備えた人材。その尖った部分を引き出せば、国際社会に大きく羽ばたくことができるでしょう。
杉山(武蔵)
 1922年、実業家・根津嘉一郎(初代)により、日本で初めての私立七年制高等学校として創設されました。「東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物」「世界に雄飛するにたえる人物」「自ら調べ自ら考える力ある人物」の三理想は、時代に色褪せることなく、生徒・教職員の間で受け継がれています。AIの進展、国際緊張の激化、環境問題の深刻化、さらに未曾有のパンデミックに見舞われ、まさに先行き不透明な時代です。2年後に100周年を控える“新生武蔵”は、これまでの武蔵の強みを生かしつつ、さらなるグローバル化の進展や進路希望の実現など必要な進化をめざし、新たなスタートを切っています。
小家(駒場東邦)
 医学部、薬学部など医療系学部を総攬する東邦大学の理事長・額田豊と元日比谷高等学校校長・菊地龍道が、1957年に創設した中高一貫の男子校。「自主独立の気概」と「科学的精神」を養うことで、人類の福祉を高める仕事に活躍できる有為な人材を育てることを教育目標とし、「誠あれば熱あり、熱あれば光あり」という言葉をもって、将来の明るい夢に向かって邁進するよう若い生徒たちを鼓舞しました。この理念は、極度に細分化した膨大な情報に囲まれた現代社会においても、信念をもって世界に羽ばたく人物の育成において有用なものと信じています。
岡田(攻玉社)
 明治維新を5年遡る1863年に、明治期の六大教育者の一人、近藤真琴が開いた蘭学塾を嚆矢とします。校名は詩経の「他山の石以て玉を攻(みが)くべし」から引用したもの。生徒の持つ潜在能力を大きく伸ばすことが使命です。校訓は「誠意・礼儀・質実剛健」。海軍兵学校の予備校として名を馳せた歴史もあり、和魂洋才かつ進取の気性に富む多くの人材を輩出してきました。男子校には珍しく、1990年から帰国生のための国際学級を設けたのも特長の一つ。価値観の異なる多様な集団の中で、生徒は互いに刺激し合い高め合っていきます。
南風原(広尾)
 明治の女子教育の先駆者・下田歌子が初代校長となった順心女子学園を母体に、国際化時代の多彩なニーズに応え、2007年に共学化。校名を広尾学園と改めました。教育理念は「自律と共生」。目標を達成するために自分を律し、また他者と力を合わせる姿勢を培います。目標ごとに、文理の枠を超えて幅広く学ぶ「本科コース」、医学や科学に特化した「医進・サイエンスコース」、帰国子女受入れ指定校の実績を背景とした「インターナショナルコース」を設置。さまざまなバックグラウンドを持つ教職員という「ソフト」と、先端のIT環境や実験設備という「ハード」の両輪で、一人ひとりの生徒の未来づくりをサポートします。
竹澤(江戸川学園取手)
 1978年の創立以来、「心力」「学力」「体力」の三位一体教育で、心豊かな「世界型人材の育成」を目指してきました。将来心豊かなリーダーを目指す生徒たちであるからこそ規律が大切です。生徒たちには登下校時に校門の一礼を奨励しています。学び舎は道場と心得、感謝と尊敬の心を大切にしています。4年前、高等部に倣い中等部も「医科ジュニアコース」「東大ジュニアコース」「難関大ジュニアコース」の3コース制に移行。6ヵ年一貫教育の羅針盤を明確化しました。また1時限も50分から45分に短縮し、集中力を向上させるとともに、放課後には157種類もの自由選択講座を揃えるなど、さまざまな改革を行い、生徒たちの主体性を育て、伸びようとする芽を伸ばす教育に力を入れています。
谷地田(北嶺)
 札幌郊外の清らかな自然環境の下、北海道立札幌南高等学校長であり、北海道教育委員会教育委員長であった山口末一が開いた中高一貫の男子校です。1学年120名の少人数制をとり、英国パブリックスクールをモデルとした寮も完備。きめ細かな教育で、知・情・意・体の調和を備えた人材を育てます。「めざすなら高い嶺」を合言葉に、全校生徒が柔道とラグビーに取り組み心身を鍛錬。開校時から切れ目なく東大や国公立医学部の合格実績を上げてきました。グローバルリーダー育成のため、国際化教育、医学、サイエンス、法律、経営、情報など多彩なプログラムを導入しています。

柳沢(元開成)
 ご存じのとおり、開成は受験のためのお膳立て――進学指導や習熟度授業、文系理系のコース制は行っておりません。生徒が主役。その自主性に任されています。教師の役割は生徒の知的好奇心と学びへの意欲を刺激すること。そのために教師は常に自由な発想で学問に取り組み、アップデイトし、人間性を磨くことを求められます。厳しいですよ。
 生徒は教師の背中と先輩や仲間の横顔を見ながら、「私はこれができる」という尖った個性を見出していく。その“吹きこぼし”を、部活動や行事が“取り出し授業”の役目を担って伸ばしていく。国際数学オリンピックや模擬国連、海外サマースクールへの参加なども該当するでしょう。これが開成流の探究的学びです。集団の中で社会性を身に付けることも大事。今学んでいることが、将来社会の中でどんな貢献につながるのか、自分に問いかける視点も欠かせません。強い目的意識と使命感を持つことが、国際人への第一歩です。 
杉山(武蔵)
 「本物」に触れることで幅広い教養、リベラルアーツを身に付けてほしいと願っています。武蔵は学校全体が「探究的な学び」のような学校です。たとえば理科・特別教室棟には4層吹き抜けからフーコーの振り子が吊るされており、地球の自転を実際に調べることができます。総合的な探究として北海道、対馬、沖縄などでのフィールドワーク、校内でのヤギの飼育による研究、古文書などの原典解読、株式入門をはじめ多彩な講座が開設され、生徒の好奇心を刺激する「わくわく」と少人数授業での対話を生かした「わいわい」の体験には事欠きません。
 国内外を問わず、生徒が主体的に外へ飛び出す活動への奨励金制度もありますよ。例えば海外サマースクールや学会発表への参加支援などで、自調自考する探究心に厚みがでます。
 同時に学問の基本をおざなりにしてはなりません。武道や芸道で言われる言葉に「守破離」があります。まず師の型を学んで守る。次に型を破って、最後に型から離れて自分の型を作る。型=基本を身に付けない者に、進歩はないんです。このため、英数など教科によっては、クラスを分割した少人数制を取りながらみっちり学んでもらいます。
小家(駒場東邦)
 本校では一貫して日々の授業をいかに探究的に展開していくかに注力してきました。例えば、国語ではグループごとに異なる長編小説を担当し研究発表する、社会の時間には仮想政党を組織してマニフェスト策定から選挙までを行う、あるいは修学旅行などとリンクさせて英語のガイドブックを作成するといった実践がなされています。これらは、創立当初からクラスを2分割した少人数での「理科実験」の授業を設定し、本物に触れて自ら考えることを大切にした本校の学習目標に沿うものです。
 その上に、段階的に学びが深まるように行事を配置しています。中1の霧ヶ峰林間学校では事前学習と実地での観察をレポートにまとめ、中3の奈良京都研究旅行では約一年をかけた文献研究と実地調査を本格的な論文に仕立てあげ、高2の修学旅行では企画から事前事後の学習方法まで生徒が主体となって組み立てます。また、東邦大学大橋病院による『ブラックジャックセミナー』や東京大学先端科学技術研究センター見学など、希望者による課外学習も多く設定され、学ぶ動機を多角的に掘り起こしていきます。
岡田(攻玉社)
 生徒の多様性を担保してきたことが、本校の探究的学びを実りあるものにしてきたという自負があります。帰国生を受け入れる国際学級は、1学年240名のうちの40名。中学3年間は変わらぬ1クラスですが、部活や行事は全校生徒で行いますので、文化の波及力は目覚ましいものがありますよ。
 一人ひとり、違っていい。違うからこそ価値がある。
 切磋琢磨の中で自己肯定感が育っていくと、勉学においても発想が柔軟になり、主体性、積極性、協調性が養われます。特別選抜入試では算数1教科で突破した個性派もいますしね。男子校ですから、異性の目を気にせずのびのび好きなことに打ち込めることも大きいでしょう。クラブ活動が盛んで、全国大会や関東大会出場も珍しくない運動部に限らず、文科系もガンダム研究部やレゴ部などが校内外で存在感を示しています。文武両道でパワーを充電した生徒のほうが、確実に志望校へ合格しています。
南風原(広尾)
 私は昨年3月まで東京大学の高大接続研究開発センター長、その前は入試担当の理事として推薦入試の導入に関わりました。東大の推薦入試では探究的学びの成果が高く評価されますが、広尾学園からも毎年のように合格者が出ました。先駆的な校風と改革の姿勢に注目していた所、縁あって校長に就任しました。
 本校の3つのコースは、いずれもその分野の第一線で活躍するプロフェッショナルに学んだり、一緒に研究実習する機会を用意しており、生徒はコースを横断して参加できます。たとえばNASAの元宇宙飛行士ジョン・A・マクブライド氏の講演会。DNA鑑定や病理診断などのサイエンス講座。英語による物理・化学の実験。ラボの機材は大学の研究室のように揃っており、修士や博士を修めた指導教員の下で生徒がまとめる論文は、専門学会の査読に耐えうるレベルのものもあります。文系の講座やアート鑑賞も充実。また、日々の探究的な授業は、なりたい自分への確かな道しるべとなります。
竹澤(江戸川学園取手)
 本校では探究的学びの大テーマとして、2015年に国連サミットで採択された国際目標SDGs=持続可能な開発目標を据えています。貧困、飢餓、ジェンダー、資源、平和と公正など人類に不変な17のテーマを、どこまで自分ごととして捉えていけるか、周りと共感し協働できるか試金石です。6ヵ年の探究学習の流れを策定して、中等部ではグループ学習を中心に実施。高等部では個人のテーマを深め、高3で小論文の提出と最終発表会を行います。海外研修として希望者対象にカンボジア・ベトナムSDGs研修ツアーも実施。小児病院や孤児院、戦争証跡記念館などでリアルな証言の聞き取り調査を行いました。また、例えば中2では白樺湖畔の自然環境探究学習を実施し、日本と世界の気象や温暖化、地質学などを比較研究します。もう一つ特筆すべきはアフタースクールの充実でしょう。アフタースクール講座の中には探究的学習が多数あります。社会で活躍できるアクティブラーナーの育成に資する内容です。
 全157講座で、基礎・応用学習110、英語4技能15、実験9、アート3のほか模擬国連、模擬裁判、企業とのコラボによるインターシップなど多彩です。
谷地田(北嶺)
 基本5教科の発展形として、探究型の6つのプログラムが用意されています。1つは英語と国際理解教育のためのグローバルプロジェクト。高1生全員が渡米しハーバード大とマサチューセッツ工科大学の特別講座を受講。ハーバード大の大学院には卒業生が在籍しており励みになります。サイエンスプロジェクトは、ノーベル賞受賞者の講演、JAXA、高エネルギー加速器研究機構の見学、ロケット製作・打ち上げ実習、そして、希望者にはフロリダのNASAへのサイエンスツアーなど。メディカルスクールは、現役の医師による講演会や道内の病院研修。Dr.コトーキャンプin礼文島、赤ひげツアーin砂川市立病院などの献身的な医療従事者の姿には心を打たれます。
 ロースクールは、本校OB・現役弁護士によるテーマ別法律学習。裁判傍聴や模擬裁判では人権や情報リテラシーで論を闘わせます。第一線の経営者や公認会計士が、官僚機構、金融、企業など日本経済のリアルな実態にせまるビジネススクールも見逃せません。本年度からプログラミングアカデミーも始動。国際標準の情報技術能力を学ぶことができます。

柳沢(元開成)
 探究的な学びの真価は、生徒たちの将来の選択肢を広げることにあると思います。なりたい自分を見出すための水先案内ですね。週刊誌では、開成の東大合格者数ばかりが話題になりますが、HPで発表するデータを見ていただくと、芸術系や医療系など進路は多彩です。「新たな価値を創造する力」をきちんと獲得しているのではないでしょうか。
 近年は海外大学を志望する生徒が増えてきました。そこでネイティブの教師を中心に国際交流委員会を作り、アメリカやイギリスへ大学視察に派遣。入試のメカニズムやサマースクールの情報を提供したり、SAT®やTOEFL®の講座を開いています。世界へと視野を広げれば東大も選択肢の一つ。競争原理が働けば、国内の大学にもいい刺激になると思います。
杉山(武蔵)
 探究的な学びは、生徒の好奇心と向上心に火をつけます。したがって、そのことは結果として進学実績にもつながると思います。現在、探究的学びを奨励する大学入試改革が進んでいます。紆余曲折はしていますが、その方向性は変わりません。そういう点では、おこがましいですが「ようやく時代が武蔵に追いついてきた」という面もあります。
 語学教育も探究的学びの一環と捉えています。本校では英語のほかにドイツ語、フランス語、中国語、韓国朝鮮語のいずれかが第二外国語初級として必修。上級選択者には提携校で1、2ヵ月学ぶ国外研修制度もあります。提携校は9校に及び、本校への交換留学生も来日します。
 選択肢の一つとして海外大学への直接進学を目指す生徒には、武蔵学園国際部と連携してメールマガジンの発信などさまざまな情報提供を行なうとともに、初年度の大学学費を選考のうえ一部負担するなど、金銭的支援も行なっています。ユニークなのは学園と連携したREDプログラムでしょう。英語で科学を学ぶ試みで、夏休みと放課後に行われ、他校生にも門戸を開いています。
小家(駒場東邦)
 探究的な学びが大学受験に直結するものであることを、常に実感しています。大学に合格することは生徒の学びのゴールではなく、大学での研究活動や生涯の仕事においていかに創造的な営みを行っていくかということをいつも念頭に置いて学んでほしいと思っています。ですから、本校では、絶対評価による定期試験の成績分析を、進路指導の根幹に据えています。目先の順位などに一喜一憂するのではなく、自分がどれだけ充実した学びを得たかという自己評価を大事にします。
 また、生徒のモティベーションを高めるために、探究型の国際理解教育は大きな意味を持ちます。インターネットを通じてたやすく世界とコミュニケーションを図れる時代だからこそ、実態を見る、実物に触れることが益々重要になるでしょう。カリフォルニア・スティーブンスン校、台南一中との交換留学制度や、NY短期研修プログラム、SDGsのスタディツアーなどを契機に、学びを広げる工夫をしています。
岡田(攻玉社)
 大学受験は、人生の通過点にすぎません。探究型の学びと並行して力点をおくのは“その先”を意識したキャリアデザイン教育です。中3・高1生を主な対象に、まず働くことの意義をしっかり認識させます。社会の中堅として働くOBを招き、リアルな体験談を聞くキャリアガイダンスも頻繁に開いています。
 自分の未来像がフォーカスされ始めた高2進級時点で、それまでの40名×6クラスを、30名×8クラスへ細分化します。きめ細かな学習指導が可能になりますし、夢を同じくする仲間同士の切磋琢磨で成績はぐんと伸びる。それが進学実績にも反映されていますね。
 卒業生の中には一度社会に出てから学び直し、医師や弁護士に転身した例も少なくない。攻玉社の6年間は、ポテンシャルを磨く雌伏の時とお考えください。
南風原(広尾)
 進学実績は国公立大学、難関の私立大学、医学部、海外大学とも、この10年で飛躍的に伸びました。学びたいことをとことん学ぶ探究精神が、このような実績として実を結んだのだと思います。
 海外進学に注力したのは2015年からです。春休みに中3以上の希望者を募り、アメリカ西海岸はLA、東部はボストンを中心にさまざまな大学へ視察ツアーを始めました。外国人の教師や、海外在住経験の長いインターナショナルコースの保護者からも情報を提供していただいています。最近はヨーロッパの大学への進学も増えてきていて、世界中に進路が広がっているのを実感しています。
竹澤(江戸川学園取手)
 中高の6年間は将来の生き方や職業観を、まさしく「探究」する旅路です。各コースでもそれぞれの分野の第一線で活躍する方々と出会うチャンスをふんだんに設けました。東大コースでは東大教授による特別講座を毎週ライブ中継で聞くことができますし、東大キャンパスツアーも実施。尖った才能を意図した東大の推薦入試に、4年連続合格者を出しています。難関大コースでは、中等部で東京理科大のキャンパスツアーや、各種イベントで卒業生をはじめ著名人の講話があります。難関大コースの生徒たちも国公立大や早慶上智、東京理科大などに多数合格しています。
 医科コースでは現役医師の講話や座談会、一日医師体験のほか、米国カリフォルニア大学へのメディカルツアーもスタートしました。筑波大学との高大連携事業として、医療系リーダー教育モデル講義を実施。お茶の水女子大学湾岸生物教育センターでの体験などサイエンス教育にも注力。
谷地田(北嶺)
 探究的な学びのためにさまざまな改革やプロジェクトを提供していますが、それが血肉の通ったものとなっているのは、北嶺OB結束の賜物です。特に寮生は6年間寝食を共にするファミリー。ハーバード・MIT大学でのワークショップでも、首都圏大学見学ツアーでも、卒業生は親身に後輩たちの相談にのります。生徒は先輩の背中を見ながら「僕だって東大に合格できるぞ」「医学部、諦めないで頑張るぞ」とギアが入ります。高い嶺に引き上げてくれるんですよ。2020年の合格実績は、東京大学17名、うち理科三類2名。国立難関10大学+国公立医学部医学科91名。また開校から29期の卒業生3133名のうち、国公立医学部医学科にのべ687名、21.9%の合格率であったことも、ご報告します。

柳沢(元開成)
 江戸時代、子どもたちは寺子屋に通わなければ新しい知識は得られませんでした。しかし現代は自宅にいながらオンラインで学ぶことはできる。会議アプリを使えば双方で言葉を交わすことも可能でしょう。しかし中身の濃いコミュニケーションは難しい。たとえば1冊の本を課題に、全員が試験問題を作成し共有する。解答を出しそれも共有する。意欲的にコミットする工夫は必要ですね。その上で「集団で学ぶ」現代的な意義を問い直したいと思います。
杉山(武蔵)
 未曾有の災難に、人々が分断され立ちすくんで見えるのが心配です。教育が目指してきたのは自ら考える姿勢と、社会のために「協働」で生産する力。それが十分できていたか? 改めて自らに問いかけています。同時に、武蔵では、急遽「新しい学びのシステム」を構築し、時間割に沿った組織的なオンライン授業を始めました。武蔵の教職員の情熱と底力を誇りに思います。
小家(駒場東邦)
 生徒のいない学校の“空しさ”を痛感しています。オンラインでの学習は今後必須のものになっていくかもしれませんが、直接やりとりする言葉と、ネットで取り交わされる言葉とは本質が違うもので、思考そのものが変化していく可能性を感じています。その変化を見極めつつ前向きに捉え、生徒一人ひとりが失敗を許容されその中から学んでいくことができるという学校“現場”の特性を、失わないように心がけていきたいと思っています。
岡田(攻玉社)
 地震や台風への備えはあっても、このパンデミックは全くの想定外でした。正解のない問題から問題の本質を見抜く。人類の“知”が試されますね。その上で周りを巻き込み解決に向かうリーダーシップが問われる時代が来たのだと痛感します。本校も思いを新たにしなければなりません。また、医療機関で奮闘する卒業生諸兄には、心からの感謝を申し上げます。
南風原(広尾)
 新型コロナ禍は、地球規模で叡知を結集すべき、文字通り、グローバルな問題です。一人ひとりが、今、そして明日できることを地球人として考えていきましょう。本校では4月15日からオンライン授業を全学年で時間割通り、行っています。スムーズに移行できたのは、10年前からICTに注力してきたことの成果であり、また教職員と生徒の協力の賜物です。このノウハウと成果、問題点などを他の学校とも共有し、教育界全体でこの困難に立ち向かっていきたいと思っています。
竹澤(江戸川学園取手)
 生徒と学校、生徒と教師の信頼関係が問われています。本校ではオンライン授業を実施したり、生徒たちの学習時間を毎日把握して指導しています。仏教に「利他」という言葉があります。自分だけでなく、他者の幸せを考えなさい、責任を持ちなさいという意味です。危機にあたり教職員も生徒諸君も、保護者の方々とも、思いを一つにしたいですね。そして学びへの意欲を、未来につなげていきましょう!
谷地田(北嶺)
 新学期から高校生をすでに寮に迎えており、健康管理に万全を尽くしている所です。今回はリーダーのあり方について、本当に考えさせられます。人命最優先は共通でも、首相官邸と各都道府県のアプローチは異なる。世界各国の対策もさまざまです。安易に比較・非難するのではなく、医療制度や政治的背景、文化、国民性なども理解しなければなりません。生徒たちにはグローバルリーダー像を学ぶチャンスだと受けとめてほしいですね。

柳沢(元開成)
 今から51年前、東大は大学紛争のため入試が中止されました。でも社会にその痕跡など残っていません。今回の危機も長い人生の中ではワンショット。恐れず、慌てず、たゆまず勉学に向かってください。
杉山(武蔵)
 ピンチはチャンス。ピンチだからこそ出せる知恵があるはずです。4月7日に武蔵HP上で始業の動画配信を行いましたが、メッセージは「Never Stop Learning!」。学ぶ者には必ず明日があります。
小家(駒場東邦)
 学びは喜びであり、将来への希望。自分が何者であるかも明らかにしてくれる燈火です。本校は学ぶ意欲のある生徒をしっかり応援。集団生活の中で、互いに切磋琢磨できる環境を提供します。
岡田(攻玉社)
 男子の能力は、中学・高校の6年間のどこで開花するかわかりません。12歳は未来への可能性に満ちたスタートライン。本校は個性派集団の中で、一人ひとりのポテンシャルをきちんと引き出します。
南風原(広尾)
 27名の外国人教師を含め、授業力にすぐれ、ホスピタリティに富んだ先生方が皆さんを待っています。ぜひ広尾学園の知性と品格あふれる雰囲気を直に味わってみてください。あと、最後のまとめに言うことでもありませんが、駅から徒歩1分は、安全で便利です。
竹澤(江戸川学園取手)
 本校のスローガンは「生徒の夢が学校の目標」です。そのために3つのコースがあり、探究学習に力を入れ、アフタースクールには多彩な講座を用意してきました。入学される皆さんの大きな志に本校は責任もって応え、有意な人材を育てます。
谷地田(北嶺)
 寮を備えているおかげで首都圏、中部、関西など各地から入学者を迎えています。個性あふれる生徒たちが家族に等しい絆で結ばれ、学問にスポーツに勤しむ。国際社会に巣立ち“北に北嶺あり”と言われる日が楽しみです。
本日はありがとうございました。

※本コンテンツに記載されている会社名、サービス名、商品名は、各社の商標または登録商標です。

学校紹介

座談会を終えて

 この「東大・医学部・海外大学進学実績校編」座談会は、各学校様のご協賛を頂き、2005年から開催してまいりましたが、初めて朝日新聞出版のニュースサイト「AERA dot.」で紹介することになりました。
 当初、一堂に会し座談会を行う予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の影響で座談会の実施も不透明な状況となる中、急遽オンラインで開催致しました。名門の私立中高が確固たる建学の理念の下どのような取り組みをされているのかを、各校のトップから直接お話しいただき、中学受験を考える保護者や受験生に紹介する内容になっております。
 元々のテーマ「探究的学びと大学進学」だけでなく、各校がこの事態にどのように対応しているのか、また社会の変化に対応する資質や能力の育成についてもお話しいただき、改めて私学の力強い取り組みに共感を致しました。司会の森上先生をはじめ、参加校代表者の先生方、広報担当者、取材スタッフの皆様のご協力のおかげで、企画が実現できたことに心より感謝しております。
株式会社シーエム