【Vol.5】未来をつくる子どもになくてはならない技術。それがブロックチェーン
【Vol.4】 スポーツから医療まで ブロックチェーンはもはや身近な存在に
【Vol.3】デジタル社会の変革で毎日が変わる。ブロックチェーンの可能性とは?
【Vol.2】安全・便利! 個人情報を明かさずに活用できる注目の新技術とは?
【Vol.1】自分のデータをどう守り、どう生かす? 革命で作られる新しい「未来」とは
検索履歴や閲覧履歴などのデータを個人のもとに取り戻し、個人の意思で活用できることを目指す「データの民主化」。その必要性を考える連載企画(全5回)。
「個々人が自身の情報を自身の意思にもとづいて、安心・安全に活用できる社会を実現したい」
そう語るのは、IoTのプラットフォーム企業・ジャスミー株式会社代表取締役社長の佐藤一雅氏。
ソニーグループ内の要職を歴任してきた彼が今、目指す未来とは? 小誌編集長の木村恵子が迫る。
「私どもはデータの民主化によって、新しい未来を作りたい」(ジャスミー株式会社 代表取締役社長・佐藤一雅)
木村恵子(以下、木村):ジャスミーが目指す「データの民主化」とはどういうものか教えてください。
佐藤一雅(以下、佐藤):「Web3」に近い概念と言えます。20年近く前にもてはやされた「Web 2.0」は中央集権型。大企業がデータを集めて分析し、サービスを提供する仕組みです。データが集中するのでシステムダウンや漏えいなどトラブルの危険性がありますし、そもそもデータを集める人が信頼できる人でなければなりません。
木村:では、Web3は?
佐藤:Web3はみんなでデータを監視し合う分散型の仕組みです。金融取引でいえば、参加者が取引情報や履歴を共有します。契約や取引のルールに従って自動的に処理されるように設定もできます。ですから、誰かが改ざんしようとすればすぐに分かる。要するに互助会のように「こういうことが起きたらみんなで1万円ずつ出し合って助け合う」というルールを共有し従う。仲介者がいて管理しているわけではないのです。
木村:互助会のような古き良き社会と、先端技術を駆使した社会が似ているというのはおもしろいですね。その上で御社はどのようなサービスを提供するのでしょうか。
佐藤:まず、自分のデータを安全に管理、蓄積できる「パーソナルデータロッカー」です。自分の意思でデータを誰に渡すか決められ、渡すときは匿名化することも可能です。たとえば、パソコンの電話窓口に「通信がうまくいかない」と相談すると、パソコンが原因ではない場合もあります。オペレーターが「ルーターに原因がありそうです」と答えると、ユーザーは今度はルーターの窓口に電話して同じ説明をしなければなりません。しかし、パーソナルデータロッカーがあれば、自分が話した記録をルーターの会社に渡して利用できます。ユーザーからすると応対品質が上がりますし、会社側は個人情報を保持する必要がなく管理コストが下がります。
木村:まさにデータを自分のロッカーから出し入れするようです。
今は一部の企業にデータが集中している。より有益なスモールデータを安全に活用できるようになれば、サービスの向上、ひいてはコミュニティの反映につながる
佐藤:パーソナルデータロッカーはデータを守るだけでなく、積極的に活用することもできます。個人の行動履歴や日々感じたこと、我々は「プラチナデータ」と呼んでいますが、それを大企業に預けることなく自分でAIで分析し、個性に合ったサービスの提供などに生かせるようになります。
木村:ビッグデータをもとに提供される情報やサービスは「自分には当てはまらないな」と思うことが多々あります。それよりも周りの数人の口コミのほうが有益な情報のことも多い。この技術によってそうした情報が有効活用されるようになるといいですね。
佐藤:そうですね。ビッグデータではなくスモールデータを活用することで、一部の大企業が収益を独占するのではなく、小さいコミュニティの中で経済が回る世界が可能になると思います。私どもはデータの民主化によって新しい未来を作りたい。個人情報をすべて明かさずとも、自分が出したいデータだけを出し、それで信頼できるコミュニティが成り立つような世界にしたいですね。
「利用者である私たちも意識を変えていかないといけないですね」(AERA編集長・木村恵子)
木村:GAFAをはじめ、情報を大量に集めて利益を上げようとする企業が多い中、データの民主化は真逆の発想です。そこに向かっていくジャスミーの高い技術力の秘密を教えていただけますか。
佐藤:かつてソニーでFeliCa(非接触ICカード技術)を開発した森田直がセキュリティ統括兼シニアストラテジストとして2020年から仲間に加わりました。今後も優れた技術者が参加する予定です。そして、プラットフォーム開発とともに、ユーザーがより安心してデータを保管し、かつAI分析もできるハードウェアの開発も進めています。
木村:なんだか未来が変わる様子が見えてくるようです。
佐藤:技術力も必要ですが、ユーザー一人ひとりがデータをどのように扱われると危険か感じ取れるリテラシーが今後ますます必要になります。みなさんには個人のデータについてもっと関心を持っていただきたい。「未来が変わる」よりも「変えよう」と思っていただけるとうれしいですね。
佐藤一雅
ジャスミー株式会社 代表取締役社長
2000年、ソニースタイルドットコム・ジャパン社長。その後ソニー クリエイティブセンター長などを歴任し、10年、ソニー退社。16年、ソニー元社長・安藤国威とともにジャスミー設立。
木村恵子
AERA編集長
1999年、朝日新聞社入社。新潟、千葉支局で司法、行政を担当。2004年からAERA編集部。14年、副編集長。その後、ジュニアエラ編集長、AERA with Kids編集長を兼務。22年4月から現職。
ジャスミー株式会社
東京都港区北青山一丁目2番3号 青山ビル11階
ジャスミーについて詳しくはこちら
文:安楽由紀子 写真:松崎浩之(INTO THE LIGHT) イラスト:森優 デザイン:弾デザイン事務所 制作:朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ 企画:AERA dot. ADセクション
このページは、ジャスミー株式会社が提供するAERA dot.のスポンサードコンテンツです。
「シリーズ『データの民主化』を考える」一覧
【Vol.5】未来をつくる子どもになくてはならない技術。それがブロックチェーン
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【Vol.3】デジタル社会の変革で毎日が変わる。ブロックチェーンの可能性とは?
【Vol.2】安全・便利! 個人情報を明かさずに活用できる注目の新技術とは?
【Vol.1】自分のデータをどう守り、どう生かす? 革命で作られる新しい「未来」とは