――そこが中学受験の塾だったのですか?

 そうなんです。でも中学受験専門塾って知らなかったんです……。今、大学生の娘も私自身も中学受験を経験していないので、当時は知識がなさすぎて。中学受験に強い塾であることは知っていたのですが、受験しない子も通っているものだと思い込んでいたんです。入塾してみたら、当時は関西に住んでいたので、「みんな灘中をめざそう!」みたいな雰囲気で。息子も影響を受け、「灘に行くんだ」と言うようになりました。

それまで別世界だった中学受験の世界へ

――息子さんの言葉を聞いてどう思いましたか?

え〜無理だろうと思いましたが、本人にはもちろん言えないので。「そっか、じゃあがんばろう」みたいな感じでしたね。

――宮村さんご自身は中学受験に対してどんなイメージを持っていましたか?

 私が小学生のころは、お金持ちの家の子しか受験していなかったですし、私自身はあまり勉強してこなかったタイプなので、別世界でしたね。ただ、娘は帰国子女として国際バカロレア教育の中高一貫校に通っていて、コロナ禍の対応の速さなど私立のよさも感じていました※。

(※編集部注:宮村さんは2007年からオーストラリアに在住し、18年、長女が13歳、長男が6歳のときに帰国。)

――息子さんが塾通いをスタートして、驚かれたことはありますか?

 お金がかかることです(笑)。長期休み期間の講習とか、特に最初のころは息子がやりたいというコースは全部とっていたので。あとは授業が21時とか遅い時間まであることですね。オーストラリアでは子どもはもう寝ている時間でしたから。

宿題をやらずに漫画を読んだり、タブレットで遊んだり

――勉強のほうはどうでしたか?

 塾と同時にそろばんも習うようになったこともあって、暗算のスピードがすごい速くなりました。最初は九九ができなくて入塾したのに、実は算数が好きで得意ということもわかって、算数に関しては一番レベルが高いクラスの授業を受けるようになりました。でもやるのは算数ばかり。国語は嫌いで塾の宿題も全くやらないんです。

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