学生時代から現在まで多くの起業経験がある、起業家で元クラウドワークス副社長の成田修造さん。「これからの世の中を生き抜くカギは起業家精神です。不安定な時代だからこそリスクを恐れずに動くマインドは必須」とキッパリ断言します。花まる学習会代表の高濱正伸さんと対談で、子ども時代の体験や兄・成田悠輔さんとの思い出などを語りました。

MENU ターニングポイントは14歳  家庭崩壊が始まった 失敗を恐れずまず動く 自分の人生は自分で切り開く それが「起業家精神」

ターニングポイントは14歳  家庭崩壊が始まった

高濱 読みましたよ、成田さんの本『起業家という冒険』。大事なことがわかりやすく書いてあって、すごく良かった。

成田 ちょっとわかりやすく書きすぎちゃったかなと思ってたんですが。

高濱 それくらいでちょうどいいですよ。難しいハウツーじゃなくて、起業家精神についてストンとくる。

成田 この本、子どもだけでなく親御さんにも読んでほしいんです。子どもに才能や夢があっても、親がブロッカーになることってあるじゃないですか。

高濱 いまだに医者か官僚か大企業が安泰だと思っている親は多いからね。

成田 僕の場合は14歳で親のしがらみから離れられたのが良かったのかもしれません。全部自分で決められたから。

高濱 大変だったんですよね。

成田 そうですね。父は突然失踪するし、母は脳出血で倒れるしで。

高濱 失踪とはすごいですね。

成田 父は一言で言うと「知的な社会不適応者」だったと思うんです。賢くて読書家でもある半面、仕事が続かず酒やギャンブルにおぼれて借金をしたり。

高濱 ……ちょっと昔の僕に似てる。

成田 母はそんな父を見放すことなく自分も働いてがんばっていたんですが、失踪後はさすがに不安定になって、3年後に倒れてしまいました。僕は今でいうところのヤングケアラーですよ。

高濱 そこで自暴自棄にはならなかったのはなぜなんだろう。

成田 当初はそれなりに揺さぶられました。でも逆に、こんなすごいことがあったからこそ、自分が変わるチャンスだと思ったんです。それまでの僕はやりたいことも特にない、中学受験も第1志望は落ちた、スポーツは好きだけどプロを目指すほどでもない。

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篠原麻子
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