子どもの発想には本当に驚かされます。たとえば「これで遊んでおいで」と、奮発して千円札をおこづかいであげたとき、甥っ子はその千円札で折り紙を始めたんです。「うわー! その発想はなかった」と感動しました。

 こんなふうに、子どもはものの見方や気づきが大人とまったく異なります。絵を描くときも、見えたままの色ではなく「感じた」色を塗ったりするのでおもしろいですよね。だから、子どもから学ぶ部分って本当に多いんです。

プラスの言葉で諭す方法がある

 児童発達支援士と発達障害コミュニケーションサポーターの勉強をする中で、自分自身にも役立ったり、それまでの考えを改めたりする学びがたくさんありました。

 先日、バスの中で二人掛けの席に座っていたときのことです。私の後ろの席に座っていた5歳くらいの男の子が、ドン、ドンと私の座る椅子の背もたれを蹴ってきました。そのとき、隣に座っていたお母さんが「ほら、怒られるからやめなさい!」と言ったのです。

 それは違うのではないかな、と思いました。だれかに「怒られるからやめる」のではなく「なぜいけないのかをちゃんと理解させてあげる」ことが大切。それから「じゃあ、今後こうすればいいね」「こうすれば、みんながニコニコになるね」と、プラスの方向に諭す方法もあるのです。

 これは、資格の勉強をする過程で学んだことです。ですから、子どもには、なにごとにおいても大人の立場から「やってはだめだよ」と決めつけないようになりました。つねに自分が正しいわけではないですし。

 コミュニケーションにおいて「笑顔」がもつ力も学びました。私、今までは不機嫌なときはすべて顔に出るタイプだったのですが(笑)、勉強をしながら「笑うことで心も変わる」ことを実感したのです。

 よく「言霊(ことだま)」といいますが、表情も同じだと思います。ポジティブな言葉や表情から、内側も変わっていくんだなということに気がつきました。すると、人に対してピリつくことがなくなり、冷静に話せるようになったんです。我ながら、すごい変化です。

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