二つめは元日に発生したことです。帰省している人や休みの人が多かったことで、被災した人の数も増えました。消防や警察も休みだったため、すぐに動くことができず、それも初動の遅れにつながりました。

 三つめは建物崩壊の多さです。地震の被害原因には大きく「火災」「津波」「建物崩壊」の三つがあります。関東大震災は「火災」、阪神・淡路大震災の場合は「建物崩壊」、東日本大震災は「津波」により多数の人が亡くなりました。今回の地震でも火災や津波による被害はあったものの、亡くなった人の大多数は建物崩壊による圧死で、阪神・淡路大震災と同じです。

 四つめが長引く断水です。被災地には集落が点在していて、水を引くのに長い水道管が必要です。老朽化も進んでおり、地震で破壊され、生活に不可欠な水が届かなくなったことで避難を余儀なくされた人もいました。

Q.自分たちにできることには何があるの?

 現地の人たちへの支援では、復興に向けたボランティア活動や寄付による支援などができることとして挙げられます。

 一方、これからできる最も大切なことは、次の大きな地震に備えることです。南海トラフ地震や首都直下型地震は、今後30年以内に発生する確率が70%とも言われています。したがって、今から地震対策をしっかり行っておくことが重要です。

 能登半島地震では、20年以降群発地震が続いていて、23年5月には最大震度6強の地震も発生していました。それらが建物にダメージを与え、多くの建物崩壊につながったとも言われているので、自宅の耐震診断や必要な補強は、ぜひやっておいてください。マンションの場合は、管理組合や管理会社に、どのような備えがあるかを確認しておくとよいでしょう。

 また多くの自治体が「ハザードマップ」や防災ハンドブックを出しています。それらに目を通し、自分の住む地域の特徴を知っておくこと、家具の転倒防止や備蓄、防災バッグの用意といった必要な備え・準備をしておくことも大事です。

 わが家ではどんな備えが必要か、避難場所や連絡方法をどうするかを含め、ぜひ家族で話し合っておきましょう。

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