父親が家事や育児を「自分ごと」にするためには、どうしたらよいのでしょうか? 北欧の公園やカフェには、カフェラテを片手に赤ちゃんを連れた「ラテパパ」が集うのが日常風景だといいます。もちろん日本と北欧では子育て事情に大きな違いはありますが、北欧のひとたちの「夫婦の育児」を大事にする理由や環境づくりには、学びたくなるエッセンスがたくさんあります。桒原さやかさんの著書『北欧の日常、自分の暮らし 居心地のいい場所は自分でつくる』(ワニブックス)からお届けします。

MENU 北欧の公園には「ラテパパ」が集う 北欧の父親が育児を「自分ごと」にできる理由 さらに整ってきた 北欧の最新育休制度 夫と共有した子育ては人生の「お守り」に

北欧の公園には「ラテパパ」が集う

 北欧の公園やカフェに行くと、赤ちゃんを連れたパパたちをよく見かけます。実はこれは、育児休暇中のパパたちなのです。ベビーカーを押したり、抱っこひもをつけたりしながら、カフェラテを片手に子どもを連れて集っていることが多いので、スウェーデンでは愛情をこめて「ラテパパ」と呼ばれています。

「昨日は何度も子どもが起きて、ねむれなかった」「ごはんつくったのに、全然食べてくれないんだよ」なんて会話がパパたちの間でなされているんでしょうか。父親も育児休暇を取ることがあたりまえの北欧では、こんな風景をよく見かけます。

 北欧の中でも国によって育児休暇の制度は多少ちがいますが、スウェーデンの育児休暇は両親合わせて480日。子どもが8歳になるまでに消化すればいいことになっているので、取得方法も家庭によってさまざま。スウェーデンに住む友人は、母親が10か月取得したあと、仕事に復帰しました。そのあとは、父親がひとりで3か月ほど育児休暇を取得し、赤ちゃんが1歳になるころに、保育園に通わせはじめたのだとか。残った育児休暇は、夏休みにくっつけて消化する予定だそう。これはスウェーデンでは、よくある育児休暇の取得パターンなのです。

北欧の父親が育児を「自分ごと」にできる理由

 子どもが1歳になるまでに、父親がひとりで子育てをするタイミングがあるので、オムツ替えから、食事、寝かしつけ、お出かけバッグの荷づくりまで、ひと通りできるようになっていないといけません。これが、北欧の父親たちがあたりまえのように「自分ごと」として育児に取り組む理由のひとつのようです。

NEXT日本でも実践できることは?
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