新学期が始まりました。入学・新学年のスタートに読みたい、伊沢拓司さんのインタビューを再配信します。東大卒のクイズ王としておなじみの伊沢さん。クイズと出合った小学生時代から、私立開成中学・高校での勉強、部活、親御さんとの関わりなどについてのインタビューです。(「AERA dot.」2021年11月14日配信の記事を再編集したものです。本文中の年齢等は配信当時)

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 小学校1年生の入学早々、クラスメートはほぼ全員ひらがなが書けて、僕だけ書けなかったのに衝撃を受けました。周りの子たちがひらがなの書き取りでは花まるをもらっている中、自分だけ二重丸だったのはあまりにも悔しくて泣きました。当時から負けず嫌いだった僕は、涙を見せるのも悔しくてほぼ人前では泣かなかったのですが、親にもしばらく言えないまま解決策がまったくわからなくて、泣くしかなかった。それを見た母親が硬筆の教室に連れていってくれたので、それが自分にとっての努力の原点かもしれません。思い返してみると、ありとあらゆることに対して負けず嫌いを発揮していたと思います。

 クイズでは当然負けたくなくて、いろいろな記録を作るため特に中学生のころは誰よりも勉強していましたし、高校の委員会活動、文化祭の展示人気投票、塾内の成績、休み時間のラーメンの早食いに至るまでどうやったら勝てるかを考えながらやっていました。

 でも、この中で「努力が楽しいから続けるぞ!」となったのは、聴きあさった音楽とクイズだけだったような気がします。

得意な科目は国語と社会 苦手だったのが算数

 子どものころ、両親に読み聞かせをよくやってもらいました。絵本を読んでもらったり、児童書を読んでもらったり。自分で読めるようになってもちょっと長いものは読んでもらっていました。社会については、学習マンガで織田信長の伝記を読んだところからハマって、そこからはマンガと子ども向け伝記本が教科書代わりでした。当時は家にマンガがなかったので、もうマンガを読むということの面白さで歴史に入っていった感じでした。

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AERA with Kids編集部
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