入学・進級するにあたって、新しい学年で習う各教科の勉強も気になるところ。親ができる適切なフォローや、苦手を克服するコツを今のうちに予習しておけば安心です。国語のつまずきポイントについて、子育て情報誌「AERA with Kids 2024年春号」(朝日新聞出版)からお届けします。

MENU 漢字の知識が国語力を高める 間違いの「種類」に注目 各学年の注意ポイント

漢字の知識が国語力を高める

 国語のつまずきというと「読解力」や「文章力」が思い浮かびますが、「全学年を通して『漢字』のマスターがつまずき防止に役立ちます」とスクールFCで国語を担当する仁木耕平先生は言います。なぜ漢字がそこまで大切なのでしょうか。

 「漢字が読めるか、なにより『その字の意味がわかっているか』によって、文章の理解度が大きく変わってくるからです。たとえば、学年が上がると文章の中で『見たこともない熟語』に出合う機会が増えます。そのとき、漢字1文字の意味から『熟語の意味を推論する』ことが必要になります。この推論がうまくいくかが、読み取りの理解度を大きく左右するのです」(仁木先生)

 進級のタイミングで、その学年の漢字の「意味」の理解まで進めておけるとよさそうです。

 「漢字の意味は、持っている知識から推論することもできます。『部首がにくづきだから、からだの一部かな』などです。漢字を構成する部品と意味を結びつけて覚えられているか、注意を払いたいですね。『この意味の漢字にその部首は使わないよね』というミスをしているときは、『漢字の覚え方』自体に目を向ける必要があります」

 筋のよくない覚え方をしている場合、その修正が必要です。

 「そこで、子どもが安心して失敗できる空気はとても大切です。間違いを責められると、子どもはそれを隠してしまい修正もできなくなります。根気よく、温かく。間違いを材料に『親しい友達だから、親という字を使うんだよ』など、一文字の意味についてたくさん話題にしてもらえたらと思います」

間違いの「種類」に注目

 漢字の間違いは「じゃあ5回ずつ書き直してね」で済ませたくないところ。間違いの内容をよく見ると、根本的なつまずき防止のヒントも見えてきます。

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AERA with Kids編集部
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