教育理念の一つは「ペンは剣よりも強し」

　開成は明治4（1871）年、佐野鼎によって設立されました。佐野は、幕府が欧米に派遣した使節団の一員として2度の世界一周を体験した、数少ない日本人6人のうちの1人です。初代校長は高橋是清。校名は中国の古典『易経』から取った「開物成務（人知を開発し、事業を成就させる）」に由来します。教育理念としては、校章にもなっている「ペンは剣よりも強し」と共に、「進取の気性」「質実剛健」、「自主自律」を掲げています。
　昨年、創立150周年を迎えました。式典の行われた新高校校舎の体育館は1800席以上入りますが、コロナ禍のため700席ほどに抑え教職員とOBを中心に式典を開催。200周年に向けてさらに開成の教育を展開していく決意を新たにしました。

開成中学校・高等学校
野水 勉　校長

1863年、蘭学塾「攻玉塾」として開設

　本校は、1863年、近藤真琴が開いた蘭学塾「攻玉塾」として開設されました。来年で開校160年を迎える伝統ある完全中高一貫の男子校です。当時、江戸幕府に仕えていた近藤は、明治期には六大教育者の一人として開国後の教育界で活躍しました。校名は『詩経』の「他山の石以って玉を攻くべし」から引用したもので、他者からの刺激によって自分を磨いていく、切磋琢磨の精神を表します。海軍兵学校の予備科だったこともあり、制服のデザインやカラー、ホームページのデザインなどは海をイメージしています。
　校訓の「誠意」、「礼譲」、「質実剛健」を柱に、周りの人から刺激を受け、自分の長所を伸ばす教育をしています。一人ひとりが自分の能力や適性に気づき、自分を磨きながら成長してくれることを期待しています。

攻玉社中学校・高等学校
岡田 貴之　校長

「自主独立の気概」と「科学的精神」を養う

　本校は、1957年に、元都立日比谷高校校長の菊地龍道が、東邦大学を創立した額田豊博士の招請に応じて初代校長に就任し、創建されました。菊地は、「自主独立の気概」と「科学的精神」を養うことを教育目標に掲げ、理数科重視の基礎教育、中高一貫の6年教育などの新機軸を打ち出していきました。その底流には、若者が将来への夢を抱きつつ、人類の福祉に貢献する理想をもって世界に羽ばたくことへの強い願いがあり、今も脈々と受け継がれています。
　菊地はさらに、「誠あれば熱あり、熱あれば光あり」という言葉を直接生徒たちに語りかけ、鼓舞していました。一人ひとりが使命感をもってしっかり事に当たること、そして誠意と情熱をもってやり遂げること、これが輝く成果をもたらすと教えています。

駒場東邦中学校・高等学校
小家 一彦　校長

1922年に旧制7年制高校として創立

　武蔵は今年、創立100周年を迎えました。創立者の根津嘉一郎は、山梨県出身の実業家で、渋沢栄一を団長とする渡米実業団に参加。「国家の繁栄は育英の道に淵源する」との信念を抱き、1922年に旧制7年制高校として武蔵を創立しました。当初から「東西文化融合のわが民族理想を遂行し得べき人物」、「世界に雄飛するにたえる人物」、「自ら調べ自ら考える力ある人物」の三理想を教育理念にしてきました。特に、その根幹をなす、自ら調べ自ら考えるという「自調自考」の考え方は、不安定な時代を生きていくためにますます重要になっています。
　改めて「新生武蔵」として、これまでの学びの土壌をふまえ、独創的で柔軟な真のリーダーとして、世界をつなげて活躍できる人物を育てたいと考えています。

武蔵高等学校中学校
杉山 剛士　校長

豊かな自然に囲まれた、完全中高一貫の男子校

　本校は、1986年に中学校が、1989年に高校が開設されました。北海道立札幌南高等学校校長であり、北海道教育委員会委員長だった山口末一は、「文武両道に力を入れる全寮制の中高一貫校を自然の中に創りたい」と創設の想いを語っています。その言葉通り、豊かな自然に囲まれた札幌郊外にある、完全中高一貫の男子校です。1学年120名の少数精鋭で、その半数は学校に併設された青雲寮へ入寮します。
　校訓は「めざすなら高い嶺」。「文武両道」と「心豊かな人間形成」のため、「ふたつの校技」として柔道とラグビーを中1から授業に取り入れ、登山にも挑戦します。知・情・意・体の調和を備え、日本だけでなく世界で社会のために活躍できるグローバルリーダーの育成を目指しています。

北嶺中学校・高等学校
谷地田 穣　校長

「自律と共生」を教育理念に掲げる

　本校の前身は、明治の女子教育の先駆者・下田歌子が初代校長を務めた順心女学校（後に順心女子学園）です。2007年に共学化し、校名を広尾学園と改めました。広尾学園は、「自律と共生」を教育理念に掲げ、目標を達成するために自己を律し、他者と力を合わせる姿勢を養います。
　文系理系の枠を超えて幅広く学ぶ「本科コース」、英語を生かして世界で活躍する人を育てる「インターナショナルコース」、医学や科学への関心に応える「医進・サイエンスコース」の3つを設置。「インターナショナルコース」は英語力のレベル別に2グループあります。
　大学の研究者やさまざまな分野の第一線で活躍する方を招いて講義をしていただくなど、生徒が自分の未来像を描けるようなプログラムを多く用意しています。

広尾学園中学校・高等学校
南風原 朝和　校長

いい意味で〝尖った個性″を持つ子が多い

　生徒たちへの年2回のアンケートで、各学年の93％以上が「学園生活が楽しい」と回答することからも、楽しくのびのびとした学園生活を送っています。
　いい意味で〝尖った個性″を持つ子が多いので、それを最大限に引き出すよう心がけています。本校は勉学だけでなく、運動、部活動、同好会にも力を入れているので、それぞれが尖った個性を活かし、さまざまな場で活躍しています。サッカー部、バレー部は都内の強豪校であり、俳句部、囲碁部は全国優勝経験が豊富です。数学オリンピック世界大会で金賞を受賞したほか、部活動では珍しい折り紙研究部もあります。
　生徒の知的好奇心を刺激するのは、教養豊かな教員たちが展開する「考えさせる教育」です。社会問題や歴史、文化をさまざまな角度から捉えられるようになり、一つの答えではなく、多様な回答が得られるようになります。

開成中学校・高等学校
野水 勉　校長

互いに尊重する姿勢を大切にしてほしい

　世の中の風潮にあるように、異質なものを排除するのではなく、一人ひとりの違いを認め、互いに尊重する姿勢を大切にしてほしいというのが開校以来変わらない願いです。他校に先駆けて導入した、帰国生だけを集めた国際学級と算数の一教科入試もそういった試みの一つ。一教科入試は、当時10人の募集に対して出願が304名と、大きな話題となりました。本校には、異なる文化的背景を持つ子たちや、算数が飛びぬけて得意な子、運動なら誰にも負けない子などさまざまな子がいます。彼らは6年間を通じてお互いのよさを認め合い、切磋琢磨しながら成長していくことができるでしょう。
　高2からは希望する進路に合わせ、30人×8クラス編成になります。少人数のクラスで丁寧な進路指導をすることで、受験勉強にもじっくり取り組むことができます。

攻玉社中学校・高等学校
岡田 貴之　校長

一生をかけて学んでいくための基礎を養う

　科学的な思考に基づく主体的な学びは、日々の授業で実践されます。そこでは、本物に触れて感じ取ったことをもとに互いの考えをぶつけあったり、レポートや論文の形にまとめ上げたり、といった活動をふんだんに行っています。創立当初から、英語や数学、理科実験などで分割授業による少人数教育を取り入れ、生徒の主体的な取り組みを支えてきました。大学入試に留まらず、一生をかけて学んでいくための基礎がここで養われるべきであると考えています。
　学校行事においては、例えば、中1林間学校では自然観察とレポートに取り組み、中3研究旅行では自らテーマを決め文献調査・実地調査を行って本格的な論文を仕上げ、高2修学旅行では行き先や行程だけでなく事前研究の方法まで生徒自身が考えて運営するといった形で、生徒の主体性を育てていきます。

駒場東邦中学校・高等学校
小家 一彦　校長

学びの根底にあるのは「自調自考」の精神

　私は2019年4月に校長に着任し、卒業以来43年ぶりに母校に戻ってきました。そこで、豊かな自然、学問重視の風土、対話の重視など、私がいたころと何も変わっていないことに驚いたのです。
　武蔵らしい学びの根底には「自調自考」の精神があります。先行き不透明な時代を生きていくために、「自調自考」できるようになるかどうかはますます重要になってくるでしょう。その力を身につけるため、同じキャンパスにある武蔵大学との連携や研究心にあふれる教師陣、一学年4クラスでさらに分割授業をするなど学習環境を整えました。緑豊かな自然に囲まれ、心身ともにのびのび成長できるでしょう。生徒の好奇心を刺激する「わくわく」と教師と活発に対話する「わいわい」の教育の中、生徒たちは「自調自考」のエンジンを装着します。

武蔵高等学校中学校
杉山 剛士　校長

難関大学に合格するための独自のカリキュラム

　本校では「思考力・判断力・表現力」の育成、英語・グローバル教育、好奇心・探究心を大切にした探究型学習を重視し、難関大学に合格するための独自のカリキュラムを設定しています。
　中1・2年では「学ぶことの楽しさ」を、中3・高1では「何のために学ぶのか、この勉強が将来にどうつながっていくのか」を考えさせます。高2で基本的な学習を終え、高3では志望校を目指し、東大クラス、北大クラス、センター試験クラスなどの課外授業にも参加します。
　全員が参加する8つの「北嶺探究型特別プロジェクト」として、「グローバルプロジェクト」、「サイエンスプロジェクト」、「北嶺メディカルスクール」、「北嶺ロースクール」、「北嶺 Business school」、「北嶺プログラミングAcademy」、「北海道プロジェクト」、「北嶺カルチェラタン」も用意しています。

北嶺中学校・高等学校
谷地田 穣　校長

本物に触れることで刺激を受ける

　広尾学園が追究するのは、本質的な学びです。本物に触れることで刺激を受け、生徒自身が自ら学び、高め合うことを期待しています。
　創立以来、「変え続けてきた」学校である一方、前身の順心女子学園の歴史は古く、ホスピタリティの精神が今も校風となっていると感じます。本校を訪れた方は、おそらく、包み込むようなやさしさを感じていただけるのではないでしょうか。それは板垣退助夫人の絹子らが設立した大日本婦人慈善会にルーツをたどることができます。女子教育と女性の福祉・地位向上に向けられた先人の思いは、共学化した今も、性別をこえて互いを尊重していく学園風土に受け継がれているのです。
　また、広尾という土地柄、海外帰国子女受け入れ指定校第1号の実績を背景に、帰国子女の受け入れは変わらず積極的です。

広尾学園中学校・高等学校
南風原 朝和　校長

最近は、海外大学を選択する生徒が増加

　コロナ禍も2年目となります。基本的に対面授業を継続していますが、2022年1～3月に、学年閉鎖や学級閉鎖をした時は、Zoom授業に切り替えて対応しました。従来の授業スタイルも大事にしながら、対面授業の中にもICT技術を積極的に取り入れ、授業内容が向上するよう取り組んでいます。
　進路は生徒の自主性に任せていますが、最近は、海外大学を選択する生徒が増えてきました。中3を対象にした英語での授業・討論を行う英語学校は、有料で参加自由ですが、全体の半分の生徒が参加しています。高校生は、ネイティブの先生を中心に、実践的英語力の養成と海外大学進学のサポートを目的とした英語特別講座を実施。昨年は、30～40名が海外上位大学へ直接入学できるTOEFL iBT®で100、IELTSTM7.5レベルに到達しています。

開成中学校・高等学校
野水 勉　校長

自分の好きなものを突き詰めてほしい

　ICTに関しては、昨年、ようやく環境が整いました。授業の選択肢が増えたことで、生徒の知的好奇心をくすぐる機会が増えたことは良いのですが、ICTはあくまで手段であって目的ではありません。
　私は生徒に身につけてほしい能力として、コミュニケーション能力、プレゼンテーション能力、質問力の3つを挙げています。前者の2つはAI（人工知能）が発達する時代、リーダーシップを発揮する上で求められるものです。また、質問力とは、当たり前のことに疑問を持ち、予期せぬことに出くわした時に本質を見抜く力を意味します。これからの時代は、知識偏重からこういった教育に変わっていくでしょう。
　誰でも、「自分はこの程度か」と思ったところで進歩は止まってしまいます。小さな失敗や挫折を恐れず、自分の好きなものをとことん突き詰めてほしいと思います。

攻玉社中学校・高等学校
岡田 貴之　校長

沖縄や北海道とオンラインサミットを開催

　探究型や理数系重視の学びが、近年特に注目され、本校の実践も先進的という評価をいただくのですが、これは創立当初からの姿勢ですし、むしろ、本校独自の姿勢というよりも、学びそのものの本質であるように思います。学ぶことは、常にそこに新たな地平を示すので、その基本を愚直に追求することが、逆に先端を行くことにつながるのかもしれません。
　ICTについては、コロナ禍のため吟味の途中で一気に導入せざるを得なかったのですが、最近は、中1で行った「海洋プラスチック問題」を考える学習で、沖縄や北海道とオンラインで結んだサミットを開催するなど、その可能性が拡がってきました。
　一方で、地域社会がコミュニティとしての機能を失いつつあるのに伴って、その代替の役割を学校に期待する向きが強いように感じます。これも新たな課題であると考えています。

駒場東邦中学校・高等学校
小家 一彦　校長

「思い切って外へ　もっと先へ」がスローガン

　次の100年を踏み出すにあたって「新生武蔵」が進化する重点ポイントは「グローバル化へのさらなる対応」です。「思い切って外へ　もっと先へ」をスローガンに、これまで取り組んできた国外研修制度では提携校との交流をオンラインで実施するほか、武蔵大学と連携したさまざまなプログラムにも参加しています。海外大直接進学を目指す者への初年度学費支援など、グローバル化への後押しも加速する中、昨年度は5名が海外大学にチャレンジしました。
　さらに、アナログとデジタルの融合にも重きを置いています。現在、高1以下は全員iPadを持っています。私も中3の卒業論文を担当していますが、ジャパンナレッジなどを活用させ、文章のやりとりはペーパーレスです。コロナ禍で得たICTスキルを“財産”とし、アフターコロナに生かしたいと考えています。

武蔵高等学校中学校
杉山 剛士　校長

「寮」の特色を生かした教育を推進

　去年まで7つだった「北嶺探求型特別プロジェクト」に、音楽、美術、芸術に特化したプログラム「北嶺カルチェラタン」が加わりました。本校は、広大な自然に囲まれていますが、博物館や美術館へのアクセスは不便です。このプロジェクトを通じて本物に触れ、豊かな感性や創造性を育んでくれることを願っています。
　また、本校の魅力である「寮」の特色を生かした教育を進めています。寮教諭や学校の教員、本校の卒業生である北海道大学医学部や札幌医科大学等の大学生らが学習面を、寮母さんと寮監の先生、寮医、看護師さんらが生活面をサポートします。さらに、生徒たちにいろいろな経験をしてほしいと、ボルダリングや林道をバギー車で走るなど、枠にとらわれない遊びを充実させています。

北嶺中学校・高等学校
谷地田 穣　校長

国際教育、研究活動、キャリア教育が柱

　前述のように、本校は共学化以来、15年にわたって「変え続けてきた」学校です。いまはそれを検証しながら、足場を固めていく時期にあると考えています。
　広尾学園になってすぐにICT教育を進め、コロナ禍前から全校体制で授業に情報通信機器・端末を導入していたことから、ICT教育は本校の強みとして広く認識されています。帰国子女がメインのインターナショナルコース・アドバンストグループでは、外国人教師によるオールイングリッシュ授業やホームルームで、海外の大学へもスムーズに接続できる教育をします。
　それらをベースに、国際教育、研究活動、キャリア教育の3つの柱に力を入れてきました。これからも社会の変化に合わせて方向性を検討しつつ、つねにブラッシュアップしていきたいと考えています。その意味では今も「変わり続けている」学校です。

広尾学園中学校・高等学校
南風原 朝和　校長

東大を含めた国公立や医学部が多い

　卒業後の進路は東大を含めた国公立や医学部が多いですが、学校がそのように指導しているのではなく、本人が得意分野や個性が生かせる場所として進学先を決めています。一大イベントである運動会や部活動で培われた先輩・後輩の絆が強いので、先輩への憧れや先輩からのアドバイス、社会で活躍するOBの講演会が進路決定に影響を及ぼしているようです。勉強より部活動や自分の趣味の世界が充実している生徒も多く、芸術分野で活躍する卒業生も少なくありません。

開成中学校・高等学校
野水 勉　校長

中学3年次の卒業論文は将来を考える機会に

　中学3年の時に12000字の卒業論文をまとめます。学友会（生徒会）の会長をしていたある生徒は、北方領土問題をテーマに選び、夏休みに根室に行って資料を集めたり、元島民の方に会って話を聞いてきたりしました。その経験が政治や外交への関心を高めることにつながり、早稲田大学政治経済学部に進学。将来は国益に貢献できる職に就きたいと言っていました。卒業論文は、中3、高1でのキャリアガイダンスなどと合わせて、将来の生き方を考える機会にもなっているようです。

攻玉社中学校・高等学校
岡田 貴之　校長

主体的な姿勢が、多くの学びをもたらす

　若手の広報マンとして活躍する卒業生が、取材に答えて、本校の体育祭で自分にスイッチを入れて没頭する術を身につけたと述べていました。それが仕事でも大きな力を発揮するとも。これは本当に嬉しいですね。コロナ禍では、体育祭を中止にしたり、縮小して開催することが続きましたが、そんな折にも生徒たちは、どうすれば実施できるかをギリギリまで追求し、あくまでも冷静に議論を重ねてくれました。その主体的な姿勢が、多くの学びをもたらしたと信じています。

駒場東邦中学校・高等学校
小家 一彦　校長

「新生武蔵」では進路指導の担当部署を整備

　本校は、卒業してから10年後20年後を見据えた人間形成、あと伸びをしていく教育を行っています。そのため、在学中に、幅広い教養を持ち、生涯にわたって作動し続ける「自調自考のエンジン」を装着できるよう、さまざまなしかけを用意しました。在校中の活動を通して、独創的で柔軟な発想を身につけた多くの卒業生が、さまざまな分野で活躍しています。「新生武蔵」では、高校卒業後に向けた進路指導の担当部署を整備し、キャリアガイダンスも充実させることで、進学実績もさらに向上していくと期待しています。

武蔵高等学校中学校
杉山 剛士　校長

3人に1人が国公立大学の医学部に進学

　本校は3人に1人が国公立大学の医学部に進学するというほど医学部志向が強い学校です。それも素晴らしいことですが、もっとたくさんの選択肢があることを示してあげたい。その一つとして、東京の大学見学ツアーや北嶺ファミリーとしてOBの大学生や社会人との座談会を設けています。すると、将来の自分の姿を思い描き、「先輩のようになりたい」と刺激をうけるようで、「もっと話を聞きたい」と言う子が非常に多いです。今後も高い学力をつけることは変わりませんが、東京や海外に出て活躍してみたいと思うきっかけを提供できたらと思っています。

北嶺中学校・高等学校
谷地田 穣　校長

卒業生の存在が、海外大学への進学を支える

　広尾学園の卒業生は、海外大学への進学が注目されています。海外の大学は学費が高額なところが多いため、経済的に恵まれた特別な家庭なのだろうと思われがちですが、海外の大学は奨学金制度が充実しているのです。活動実績や共通テストの成績に応じて奨学金を得られるため、海外大学に向けての進路指導は奨学金を得るところまで含めて考えています。
　また、それを支えるのが卒業生の存在です。活動の場が後輩に受け継がれたり、オンラインなどを通して在校生に大学の様子など、さまざまな情報提供をしてくれたりしています。先輩たちからの温かく力強い後押しで、後輩たちの道が開けています。

広尾学園中学校・高等学校
南風原 朝和　校長