「今、小学生におすすめのホラー・ファンタジー」を子どもの本に詳しい代官山 蔦屋書店 キッズコンシェルジュの瀬野尾真紀さんに選んでもらいました。春休みの読書にもぜひ!

MENU さいごのゆうれい オイモはときどきいなくなる さらわれたオレオマーガリン王子 熊とにんげん 岸辺のヤービ かはたれ ゴースト・ボーイズ

さいごのゆうれい

斉藤 倫/作 西村ツチカ/画 福音館書店 1870円

 夏休み、ハジメは自分を「さいごのゆうれい」と呼ぶ女の子に出会います。ゆうれいの国と現実世界を行き来する物語。悲しみや後悔がなければ人は幸せなの? 挿絵がその問いを重たくしすぎません。

オイモはときどきいなくなる

田中哲弥/作 加藤久仁生/画 福音館書店 1540円

 かけがえない存在が「いなくなる」。この喪失の物語は悲しさより温かさを感じます。少女の独白を思わせる文体は、言葉にできないだけで実は考えている子どもの頭の中そのもの。四季の描写は美しく、主人公と一緒に歩いている気持ちになります。

さらわれたオレオマーガリン王子

マーク・トウェイン、フィリップ・ステッド/作 エリン・ステッド/画 ひこ・田中、横川寿美子/訳 福音館書店 2970円

『トム・ソーヤの冒険』の著者が娘たちに語った話のメモで構築した物語。不遇の少年が「自分の持っているものの豊かさに圧倒される」までを描いています。富や権力への批判の精神がちりばめられており、世界を生き抜くための魔法の一言つき。

熊とにんげん

ライナー・チムニク/作・絵 上田真而子/訳 徳間書店 1540円

 熊とおじさんが旅する物語。おじさんが吹く角笛の音色は美しくやさしい。ささやかで幸せな暮らしが続いてほしいという願いはむなしく、命には終わりがきます。残された熊はどう生きていくのか。時の移ろいを詩情あふれる言葉と線画で見事に表現。

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AERA with Kids編集部
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