「赤ちゃんはどこから来るの?」に答えられますか。日ごろから家庭で性教育を伝えるにはコツがあります。ポイントを産婦人科医の高橋幸子先生に聞きました。子育て情報誌「AERA with Kids」からお届けします。

MENU 日常生活の言動から性教育は始まっている 実践! 家庭で教えるときの4つのコツ

日常生活の言動から性教育は始まっている

 家庭での性教育にはコツがあります。何より大切なことは、親が動じないこと。

「子どもはふいに性について聞いてくることがあります。『赤ちゃんはどうやってできるの?』と聞かれたら、『コウノトリが運んでくる』などとごまかさず、受精の仕組みを科学的に説明しましょう」

 日ごろから子どもの意思を尊重し、大切な存在だと伝えることも性教育の一環です。

「性被害にあいそうな時に、『やめて!』が言えるようになるには、『自分の言葉には力がある』と思える積み重ねが大切です。子どもが『嫌』『やめて』といったら聞き入れましょう」

 性教育は日常会話の一つとして取り入れたいところですが、その前に親は自分の言動をチェック。

「何げない発言が、実は差別的だったり、古い価値観の押しつけだったりすることもあります。例えば『女の子なのに』などと性別で役割を決めつけるような発言は控えたいもの。親が標準体形なのに『やせたいなあ』などとぼやくのも、ルッキズム(外見至上主義)を肯定することになりかねないので避けたほうがいいですね」

実践! 家庭で教えるときの4つのコツ

1.ごまかしたり、照れたりせず、 科学的に淡々と話す

 性教育をするときの口調は「科学的に淡々と」がポイントです。大人がごまかしたり、照れたりすると、子どもなりに察して「聞いちゃいけなかったのかな」と思うこともあります。どうしても話しにくかったら、動物に例えてもOK。あるいは「とても大事なことだから、少し調べてから必ず教えるね」と約束することをお勧めします。

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越膳綾子
ライター 越膳綾子

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