「志望校がなかなか決まらない」「不合格が続いている」といった中学受験の不安を乗り越えるために大切な心構えについて、青山麻美さんと鳥羽和久さんに聞きました。AERAムック『偏差値だけに頼らない 中高一貫校選び2024』(朝日新聞出版)から紹介します。

MENU 子どもが塾を変えたいと言いだしました。 夏休みや冬休みなどの長い休みはどう過ごしていいかわかりません…。 志望校がなかなか決まらない…。 不合格が続き、どうしていいかわかりません。全部落ちたらどうしよう…。

子どもが塾を変えたいと言いだしました。

POINT:まずは話を聞く。その上で心の傷にならない選択を

 志望校や学力と、授業のレベルに隔たりがあったり、塾講師との相性がどうしても合わなかったりする場合は、転塾がよい結果につながることもあります。それは受験を続けるための前向きな選択です。逆に、受験そのものに意欲をなくしているケースも。小学校高学年はまだ精神年齢に差があり、受験が難しい子どもがいることも事実です。子どもにはそれぞれ伸びる時期があります。親が冷静に判断し、ときには受験を諦める決断が必要であることも知っておきましょう。(青山麻美さん)

 各塾のカリキュラムは、すべてを網羅してこそ効果を発揮するので、学習計画の面では転塾によるデメリットは大きいと言えます。子どもが転塾を言いだす場合、多いのが友人関係のトラブル。クラス変更などで対処できないかを考えてみましょう。一方、競争させるような雰囲気が苦手、先生の激励がむしろ負担など、子どもがその塾の雰囲気を怖がっているなら、やめるという選択肢も。思春期の入り口で負った心の傷は、回復までに長い時間がかかることを忘れないように。(鳥羽和久さん)

夏休みや冬休みなどの長い休みはどう過ごしていいかわかりません…。

POINT:勉強と遊びをバランス良く

 人は区切りを大切にしないと、次のステップにジャンプできません。“夏休み”“冬休み”など「休み」がつくからには、休ませることが第一です。親は今がチャンスとばかり、これまでの復習、テストの見直しなどと張り切りがちですが、プロ並みの管理力がなければ子どもを疲弊させるだけ。塾は長期休みを踏まえて講習のカリキュラムを組み、宿題を用意しています。まずはそれをクリアすることを目標に、足りない部分があるなら個別指導などで補っていくのが現実的です。(鳥羽和久さん)

 長期休みは生活リズムが乱れがちです。早寝早起きの徹底に加えて、学力の基礎トレーニングである計算と漢字は毎日の習慣にしましょう。休み前に子どもと話し合い、一日のスケジュール、全体の目標を決めておくことも大切。カレンダーに勉強時間分のシールを貼るなど、成果を可視化するとよい刺激になります。もちろん休み中は、存分に遊ぶ時間も必要です。特に時間にゆとりがある4、5年生のうちなら、ぜひ旅行などに行って新しい体験をしてほしいと思います。(青山麻美さん)

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