結果的に契約終了前に退団となったが、“惜しかった”のがアルバート・プホルス一塁手だ。2011年オフにエンゼルスと10年総額2億5400万ドル(約383億4000万円)を結び、カージナルス時代からは成績を下げたものの、長年同チームの一員としてプレー。しかし、10年目のシーズン途中にDFA(事実上の戦力外)となり、契約を全うすることなくチームを去った。エンゼルス退団後はドジャースを経て、古巣のカージナルスでプレーしている。

 10年以上の契約を勝ち取った選手については最近のものが多く、まだ契約真っただ中というケースがほとんどで、他の選手が最後まで契約を結んだチームでプレーするかは分からない。だが、チームの経営に関して方針が急遽変わることの多いメジャーリーグでは、契約を全うする選手は多くはないだろう。

 大谷も入団会見で、契約に関わったフリードマン球団社長、ウォルター球団オーナーが退団したらオプトアウト(契約の見直し)できるという条件について聞かれると、「ドジャースに入団すると同時に、メインのこのお二方と契約する形ですし、そこがもし崩れるのであれば、この契約自体も崩れることになる、そういう契約かなと思います」と状況次第でチームを出ることも示唆している。

 ドライな部分の方が目立つメジャーリーグだが、プホルスのように最後に慣れ親しんだ古巣に戻るスター選手が多いということもある。もしかすると、大谷も契約の途中でエンゼルスに戻ってプレーするということもあるかもしれない。