TOP campus AERA 大学×企業でニッポンの未来を考える

〈PR〉

女子大学×企業 スペシャル座談会 女子大学でなりたい私になる

社会が激変する今、「女性の生き方・働き方」も転換期を迎えようとしている。変化の時代を自分らしく生きるために必要なものは何か。女性たちを育て、そのキャリアを育成・支援してきた女子大学11校と、女性が多く活躍する企業6社が3つのテーマで語り合った。

イラスト

取材・構成/石川美香子、石村紀子 撮影/八木虎造 イラスト/牛久保雅美 デザイン/スープアップデザインズ
企画/AERA dot.ADセクション 制作/朝日新聞出版メディアプロデュース部ブランドスタジオ

PART1 時代が求めている。 女子大学の強み。 PART2 学びが変える。 これからの女性の働き方 PART3 社会を導く。 女性リーダーの未来 感想を書いて頂いた方の中から抽選でAmazonギフト券をプレゼント!

スペシャル座談会PART2 学びが変える。これからの女性の働き方

「女子大学の学びに変化が起きている。理工・建築などの理系学部や
経営学部の新設が相次いでいるのだ。見えない壁を取り払うため、また、女性ならではの
キャリア形成、ライフデザインのために、資格や専門性は強みになるのか。

座談会参加のみなさん

橋本聡恵 さん

聖徳大学・聖徳大学
短期大学部
キャリア支援課課長
橋本聡恵 さん

鷹野景子 さん

東京家政学院大学 学長
鷹野景子 さん

今岡春樹 さん

奈良女子大学 学長
今岡春樹 さん

森本順子 さん

武庫川女子大学
建築学部景観建築学科
准教授
森本順子 さん

松田真理子 さん

味の素株式会社
営業戦略部
松田真理子 さん

林 房代 さん

株式会社ヤクルト本社
人事部 健康経営推進課
課長
林 房代 さん

専門性を高めることが

片桐圭子(AERA編集長) 女子大学は資格や専門性の取得に強い学部が多いように感じます。加えて、最近は理系学部の新設が続いていますね。

森本順子さん(武庫川女子大学) 女性もプロフェッショナルな技術を身につけ、即戦力となることが必要です。2020年に女子大学で初めて建築学部を開設しました。身につけた技術は一生、自分自身を裏切らない。社会に出たときに大きな武器になります。建築の世界はかつて、「女は現場にくるな」と言われた男性社会です。最近は女性設計士が4割という企業も出てきましたが、全体としてはまだまだ男性が多い。しかし、実際の建築物を使うのは男性だけではありません。設計側にも性別の偏りなく多様な目線が必要になっています。これからの社会に求められる女性建築士を育成できればと思っています。

司会進行役 AERA編集長 片桐圭子

今岡春樹さん(奈良女子大学) 私たちの大学や大学院では研究が学びの中心にあります。学生たちは研究テーマが与えられるのでなく、自分で仮説を作って検証するループを回していきます。それはビジネスの世界と同じですから、そこを経験した人たちは社会においても強いのでは、と思います。2022年4月には女子大学初の工学部設置(設置構想中)を予定しています。今、世界では、広い工学の知識を持った人がビジネスのトップに立つことが増えている。純粋に女性だけでリベラルアーツ的な工学の広い分野を学び、女性の可能性をできるだけ広げたいと考えています。

片桐(AERA) これまでは、工学部と言えば男性ばかりでした。

今岡(奈良女子) そうですね。工学とは、「今までにないものを作って世の中を変えてやろう」という意志だと考えています。女性も男性の視線を気にせずにのびのびと「工学マインド」を育んで、社会で発揮していければ、世界のビジネスのトップを狙えます。

片桐(AERA) 資格や専門性は理系に限りませんよね。聖徳大学は保育・教育から医療・福祉、栄養分野まで、専門性の高い仕事についている卒業生が多いですね。

橋本聡恵さん(聖徳大学・聖徳大学短期大学部) 実践的な学びを生かして、各分野の専門職や総合職、そしてサービス職で活躍している卒業生が多くいます。本学ではすべての学部学科が一つのキャンパスに集約されているため連携しやすく、多様な専門職が協働して学べるプログラム「フィールドリンケージ」も展開しています。例えば、実際の医療のフィールドを想定して、栄養学・臨床心理学などの学生が協働して問題解決にあたるなど、幅広い視野を持って学びを深めることができるものです。また、見えない壁を取り払うための武器として、「人間力」と「自立する力」も重要と考えているため、学際的な視点を持つ教養や多様性に対する感性を高める教育にも力を入れています。

人間力と自立する力が見えない壁を取り払う武器になります 聖徳大学・聖徳大学短期大学部 橋本聡恵さん

片桐(AERA) コロナ禍で働き方も生活スタイルも大きく変化しました。生活に根ざした家政学が果たす役割は大きいのでは。

鷹野景子さん(東京家政学院大学) 家政学には栄養・食物、被服、住居、児童、家政経済学などの分野がありますが、それらはすべて私達の「生活」に密着しています。時代と共に変化する価値観に基づいて人と社会のつながりをより良くするために欠かせない学問分野でもあります。住分野を学べる生活デザイン学科では、建設・不動産業界への就職が多いなど、就職先の選択肢も幅広い。「家政」ということばに古いイメージを抱かれる人もいるかもしれませんが、実生活と社会をつなぐ「家政学」は時代に合わせて進化し、生活に対する多様な価値観の理解にもつながります。

数字で見る女性の今 職場で男女は平等になっていると思いますか?

文部科学省「学校基本調査」(2019年5月)より>理系学部の女子比率の低さが目立つが、近年では女子大学に理系の学部が設置されるなど理系分野で活躍する女性が増える動きもみられる。
文部科学省「学校基本調査」(2019年5月)より

女性比率が高いのは専門性が生きる研究職

片桐(AERA) 専門性を持つことは、社会や企業においてプラスになるのでしょうか。

林房代さん(ヤクルト本社) 新卒の採用面接でも資格や専門性を持ち、自身のキャリアビジョンをしっかり考えている女子学生が増えています。その結果として当社では女性の採用が増えていますね。全社的な女性比率は30%弱ですが、専門性の高い研究職や開発職は女性比率がやや高めです。女性の購入者が多いので、当社商品の開発では、女性の意見、感性が重視されます。品質管理職でも専門性を生かして働く社員が増えています。

松田真理子さん(味の素) 当社も研究部門の女性比率は約40%と全社比率より高く、専門性を生かした職に就いています。営業部門でも管理栄養士の資格を生かし、食と栄養のプロとして多くの女性が活躍しています。

片桐(AERA) 専門性が女性の働き方をいい方向に変えていくということですね。そうした働き手の努力に対して、企業側は今後どうあるべきだとお考えですか?

松田(味の素) ライフイベントに直面しても女性が働き続けられるようにワークライフバランス関連の制度を整備することが大切だと思います。当社では16時半終業、完全フレックス等を導入、女性の育休取得率と復職率は100%です。「働き続ける」だけでなく「キャリアの多様化」を目指し、女性がより一層意思決定に参画し、制度設計に関与できる取り組みも進めています。

林(ヤクルト本社) 当社でも、時間単位年休や配偶者の転勤に伴い最長5年間休職できる配偶者転勤休職制度などを導入しています。また、コロナ禍で在宅勤務や時差出勤も導入され、女性の働きやすさという面ではコロナ禍が逆に後押しになっているようにも思いますね。

>>アンケート実施! 感想を書いて頂いた方の中から抽選でAmazonギフト券をプレゼント!

資格に強い女子大学。理系分野の学部も増えている

コロナ禍でも資格系の就職は強い

人間家政学は総合的な科学生活を見直す、今の時代のための学びです 東京家政学院大学 鷹野景子さん

片桐(AERA) 大学ではこの1年、学生の意識の変化やキャリア支援に何か変化はありましたか。

森本(武庫川女子) 本学では入学時から一人ひとりに手厚いキャリア支援をしていますが、コロナ禍でも同等のサポートをオンラインに切り替えて実施しています。建築学部の大学院修士課程では、在学する学生全員が、一級建築士の登録要件「実務経験2年」を得ることができますし、社会に有益な人材を切れ目なく育成できていると感じています。

鷹野(東京家政学院) 私たちの大学でもこの1年はサポートをオンラインに切り替え、これまでと同等のきめ細やかなキャリア支援を行いました。一昨年からはアセスメントテストを導入し、入学時には自己発見を、3年次には自身の成長を確認する機会を設けています。19年度も96.5%(就職者332名/就職希望者344名)というように例年高い水準を維持している本学の就職率を、今後さらに後押しする取り組みとして期待しています。管理栄養士など専門的な知識を持った学生への求人が増えたことも近年の(就職率向上の)追い風です。

橋本(聖徳) 保育士、看護師、社会福祉士など社会で重要な役割を担うエッセンシャルワーカーを目指す学生が多い本学では、免許・資格を持つ強みという点はこれまでと変わらないですね。20年度の一般企業の新卒の求人率は減少しましたが、本学では保育士や幼稚園教員の求人率が前年度の31.6倍から33.5倍に上がっています。コロナ禍で、こうしたエッセンシャルワークに就く学生たちの志望動機では、「命の尊さ」「人を預かる仕事に就く者としての自覚や責任」「社会に貢献する強い覚悟」などを多く目にしました。

数字で見る女性の今 女性が職業を持つことに対する意識の変化

職種別に出産離職率をみると、営業・販売職では出産離職率が高く、専門職・技術職は低い。
リクルートワークス研究所「全国就業実態パネル調査(JPSED)2019」
注:継続者は現職の職種、離職者は前職の職種を用いている。

女子大学初の工学部「工学マインド」が可能性を広げます 奈良女子大学 今岡春樹さん

今岡(奈良女子) 資格系はやはり強いですね。私たちの大学での20年度の就職内定率については、オンライン対応等の支援を行いコロナ禍の影響を最小限に食い止めました。前年度は理学部、文学部、生活環境学部の順でしたが、資格系の生活環境学部の内定率はむしろ上がって1位になりました。このような変化に対応して、大学でできるサポートを考えていきたいと思っています。

片桐(AERA) サポートという点では、奈良女子大学は独自の託児所をお持ちですよね?

今岡(奈良女子) はい。近年、学生や大学院生、教員向けに子育て支援システムを構築し、大学独自に子どもの預かり保育を始めました。子育てとの両立困難による中退や退職を防ぐためです。利用者は19年の175件から20年には300件とほぼ倍増しました。テレワーク中に子どもを預けたいという需要が多かったようです。

片桐(AERA) かなりうらやましい、素晴らしい取り組みですね。他にも、女子大学ならではの学生サポートなどありますか?/p>

橋本(聖徳) オンライン面接の際に印象がよくなるメイクアップ講座を開催したところ、非常に好評でした。時代の流れに合わせて、大学としてもなにか支援の内容をアップデートしていくことが大切だと思っています。

これからの時代に必要なのは〝ワークシェアリング〟の考え方

専門性や人間力を高め 女性が活躍できる場を

鷹野(東京家政学院) 今の女子大学の存在意義は、日本社会が未だ解決できずにいる男女共同参画社会の実現だと思っています。女子大学は、社会の構成員としての責務を果たすとともに、ライフスタイルの多様性を認めて協働できる人材を輩出するための教育を行っています。企業には、柔軟な思考力と行動力が備わった学生が、卒業後に活躍できる場としてのよりよい環境を作っていただきたいと願っています。

森本(武庫川女子) 本当にそうですね。例えば建築士の場合、数年単位の長期スパンになる仕事が多い。そうすると家庭や育児などのライフイベントとの両立が問題になってくるわけです。そこで悩んで辞めてしまう女性も多い。そうした人たちを減らすためにも、ワークシェアリングの環境を、企業にはぜひ作っていただきたい。建築の仕事など、チーム単位で行う仕事では、1人がずっと頑張るのではなく、人材も入れ替わりながらつながっていけばいいと思うのです。スーパーウーマンも大事ですが、個々の役割をしっかり果たしていける人材が必要ですし、そうした人材を女子大学で育てていきたいと思っています。

女子大学初の建築学部世界で活躍できる女性建築士を育てます 武庫川女子大学 森本順子さん

片桐(AERA) ワークシェアリングの考え方は、ライフイベントの多い女性が社会で活躍するための一つのキーワードになりますね。

橋本(聖徳) 本学の学部・学科が連携する学びのプログラムでは、学科での専門的な学びをさらに発展させるべく、新たに「専門的な学び」と「先験的な視点」で課題解決に取り組む力を育成する「ビジネスフィールドリンケージ」を本格始動します。自分の専門性を生かしつつ、自分らしい未来のためのライフデザインができるよう、〝女性大学〟としての知見も生かして学生を社会に送り出してあげたいと考えています。

林(ヤクルト本社) そうした女性たちを受け入れる企業も、よい環境を作っていきたいですね。

松田(味の素) 業界の慣習やバイアスなどもあり、営業職の女性は仕事と育児の両立への不安を抱えやすい現実があります。そのため当社の営業部門では女性社員を対象にキャリア座談会を実施するなどの支援を行っています。本日のお話をお聞きし、女子大学のみなさんは革新的な取り組みをされているんだなと感じました。企業も、そうしたところで学んできた女性が活躍できる環境整備により力を入れていく必要があると改めて思いました。

鷹野(東京家政学院) 働く制度などはかなり整備されてきましたが、日本は性別役割分業意識がまだまだ強く、生活において女性が家庭を守る役割にあるという前提は変わっていません。まずはその意識を解消していく地道な努力も必要です。

今岡(奈良女子) 技術系や開発系に高い能力を発揮する女性もどんどん増えています。これからはこの国を女性が変えていくことを大いに期待しています。

片桐圭子の編集後記

片桐圭子

コロナ禍の就職では、「専門性」というのはやはりとても強かったのだな、と思いました。一方で、バブル崩壊やリーマン・ショックの時のように極端に求人が減少してしまうことがなかったことには、企業側の強い意志を感じます。いい意味で企業と大学がよいタッグを組めていることを心強く感じました。

>>アンケート実施! 感想を書いて頂いた方の中から抽選でAmazonギフト券をプレゼント!

INFORMATION Part2の座談会に参加した女子大学・企業

今こそ行きたい女子大学

聖徳大学・聖徳大学短期大学部

新時代を生きる、プロフェッショナルな女性を育成

建学の精神「和」のもと「人間教育」「女性教育」を柱に教育を展開する女性総合大学。自らに挑戦し続ける強さと他者への優しさを兼ね備えた女性の育成をめざす。一人ひとりのキャリアデザインの実現を全学体制で支援。企業のほか、教育・福祉・医療の現場に多くのプロフェッショナルを輩出している。

「実就職率ランキング」全国女子大学第2位(2019度実就職率96.1%)(就職者数741人/卒業者数777人 ※大学院進学者数6人)(大学通信調べ。2020年)
詳しくはこちら ▶

東京家政学院大学

令和5年に創立100周年。歴史ある『家政学』の大学

創立者の大江スミが掲げた「人々のしあわせにつながる家政学」という建学の精神のもと、時代の変化とともに新しい家政学を発展させている。また、地域連携・産学官協働・社会貢献活動といった実践的な学びを通して学生の「成長値」を上げることに力を入れ、高い就職率につなげている。

2020年3月卒就職率96.5%(就職者332名/就職希望者344名)
詳しくはこちら ▶

奈良女子大学

古都・奈良で次代を担う人材を育てる国立女子大学

古都「奈良」に位置する女子の最高教育機関として100年を超える歴史を有する女子大学。すべての都道府県から入学者が集まる「全国型」、また、文・理・生活環境という文理3学部を有する「総合型」でもあることが特徴。令和4年4月より日本の女子大学では初の工学部を開設する(設置構想中)。

女子大史上初の工学部設置(設置構想中)
詳しくはこちら ▶

武庫川女子大学

一生を描ききる女性力をはぐくむ教育

大学10学部17学科、大学院7研究科13専攻、短大7学科を有する女子総合大学で、約1万人の学生が学ぶ。女子大では学生数日本一。「一生を描ききる女性力を。」をビジョンに掲げ、自らの意志と行動力で新たな時代を切り拓いていく女性を育成。アメリカ・ワシントン州にもキャンパスがある。

10学部17学科の総合大学女子大学で学生数第1位(『大学ランキング 2021』朝日新聞出版発行)
詳しくはこちら ▶
女性が活躍している企業

味の素株式会社

全社員の働き方改革で女性活躍推進を図る

終業時間16時半で、全社員が「働き続ける」から「キャリアの多様化(キャリア・ダイバーシティ)」へ。2030年までに女性取締役と管理職を従業員比率と同じ30%にすることを目指している。

味の素グループの女性従業員比率 30%(自社調べ。2019年) 詳しくはこちら ▶

株式会社ヤクルト本社

1970年代より、女性の雇用創出や社会進出に貢献

「ヤクルトレディ」の制度をはじめ、1970年代にいち早く事業所内保育所を設置するなど、女性の社会進出を後押ししてきた先駆者。食品、化粧品、医薬品、国際事業の4事業を展開。

産休取得率および復職率 100% 詳しくはこちら ▶
TOP campus AERA