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保護者の疑問に答えます!コロナ時代の大学

変革を求められる「コロナ時代」。大学も、その例外ではありません。「大学は今どうなっている?」「これからの大学選びのポイントは?」など、編集部に寄せられた保護者の疑問や不安に進研アド『Between』中村浩二編集長と『大学ランキング』鈴木顕編集長が答えます。

取材・文/石村紀子(対談)、松本守永(龍谷大学)
デザイン/スープアップデザインズ イラスト/Kei Hiramatsu
企画/AERA dot. AD セクション 制作/朝日新聞出版カスタム出版部

Q

オンライン授業はどうですか?

A

中村 私が取材で聞いた限り、オンライン授業に対する学生の満足度はさほど低くない大学が多いのです。オンラインだとチャット機能などを使ってすぐに質問できるし、ディスカッションもしやすく、本質的な理解が深まったという声もよく聞きます。通学せずに授業が受けられるため出席率が上がった、勉強時間が増えたという学生も多いそうです。

鈴木 PCや通信機器の貸し出し、学生がコンビニで印刷できるプリントサービスの導入などを実施している大学もありますね。授業が受け身になりがちな点は課題ですが、学生を参加させる仕組みを模索する大学が増えています。

中村 オンラインの一番のデメリットは、授業以外の余白がないこと。キャンパスライフという「場」にいれば体験できるはずの学生同士の交流が、できないという点です。でもSNSなどを活用して課外活動を頑張っている学生もいる。逆境の中で自分のできることを考えて行動する、そんな主体性が学生に求められていると思います。

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Q

コロナ禍の不安に応える
相談窓口や奨学金はある?

A

中村 メンタル面や大学生活に不安を抱える学生の相談を受ける専用窓口を設けたり、新入生がコミュニケーションをとれるようなイベントをオンライン上で企画したり、各大学でいろいろ工夫していますよね。授業の履歴が記録される仕組みを作って学生の状況を把握し、正確な評価をしようと独自の体制を整えている大学もあります。

鈴木 経済的に困っている学生向けに手厚い奨学金を用意した大学もあります。ただ、こうした支援や制度は大学によって差があるのが実情。こまめに大学のホームページを見るなど、学生も保護者も積極的に情報収集して活用してほしいと思います。

中村 浩二 編集長

『Between』

中村 浩二 編集長

1990年に(株)福武書店(現ベネッセコーポレーション)入社。高校の教育改革支援に携わった後、(株)進研アド九州支社勤務を経て2017年より現職。

Q

留学や国際交流の「今」が知りたい

A

中村 現段階では来春の留学も難しそうですが、オンラインで協定校や連携校の学生と共同研究や国際交流ができる仕組みを作っている大学は増えています。オンライン授業で交換留学や短期留学の単位を認める大学もある。オンラインになったことで、逆に世界中とつながりやすくなり、幅が広がっているという側面もありますね。

鈴木 コロナ禍が落ち着いたら再び留学できる時代が来ます。だから今をマイナスに捉えるのではなく、そうした仕組みをうまく活用して語学のレベルを上げたり、海外の友達や人脈を作ったりして、将来留学するための準備期間にしてほしいと思います。

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Q

就職サポートはコロナ禍で
どう変わった?

A

中村 企業の面接がオンラインになったので、各大学はオンライン面接用の指導に力を入れています。オンライン面接は言語コミュニケーションなので、学生の雰囲気や人柄など、非言語の部分は伝わりにくい。だから、学生は自分の言葉で「自分はどんな人間で何がやりたいのか」を的確に表現できるようにしなければなりません。

 ただ、ほとんどの大学はオンラインでキャリア支援を行っており、そういった意味ではコロナ禍の前と同じくらい一人ひとり丁寧にサポートされていると言えるのではないでしょうか。

鈴木 顕 編集長

『大学ランキング』

鈴木 あきら 編集長

『週刊朝日』の医療担当、大学担当記者などを経て現職。『AERA English』『アエラ大学ムック』シリーズのデスクも兼務。

鈴木 オンライン就活で難しいところは、学生同士の情報交換がしにくいことです。大学もそれを考慮して情報をこまめに伝えていくことに注力しています。採用中止になる職種が出るなど、厳しい就職環境ではありますが、だからこそ特定の職種に固執するのではなく、自分が大切にしている価値観、職業観などを掘り下げ、分析し、選択肢を広げることが求められます。

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Q

コロナ時代の大学選びのポイントは?

A

中村 オンライン授業にもメリットがあることがわかったので、今後おそらく、100%対面だけで授業をする大学はないでしょう。

鈴木 オンラインでも対面でも受講可能で、どんな状況でも学びが継続できる、そんなシステムを作れる大学が評価される時代になっていくでしょうね。

中村 コロナ禍以前から学生主体の改革を続けてきた大学は、コロナ禍によって対応を迫られることになっても実は、さほど困っていないんですよ。学生の声を汲み上げて新しい取り組みを始める仕組みが構築されているから、今回も素早く対応できた大学は多いはず。それがコロナ禍によって顕在化しているわけです。

鈴木 そうした大学の姿勢は授業の質にも影響しますから重要です。学生のほうを向いた改革をしているかどうかは、これからの大学選びの最大のポイントだと言えそうですね。

『Between』

『Between』

大学の課題解決を
サポート、
改革に役立つ情報を
発信する高等教育情報誌

『大学ランキング』

『大学ランキング』

毎年4月に発行し、
さまざまな角度から
大学を評価する
「総合評価誌」

コロナ時代の龍谷大学

いち早く細やかな学生支援を実施

西本願寺に設けられた「学寮」に起源を持つ龍谷大学。
仏教に見られる「摂取不捨(全ての者をおさめとって見捨てない)」に基づく数々の取り組みを進めた。

「学生を誰一人取り残さない」

入澤 崇 龍谷大学学長

入澤 崇

龍谷大学学長

 新型コロナウイルス感染症の感染拡大という未曽有の事態にあたり、本学ではまず、全学を横断的でなおかつスピーディーな対応を可能にするため、学生支援に従事する学長補佐を置きました。5月に入ってからは「学生支援特別推進室」を設け、学生のニーズをすくい上げながら具体的な支援を実施するための体制を整えました。一人暮らしの学生や留学生に食材を配布した「食支援プロジェクト」は、こうした体制によって早期に実現したものです。また、経済面での学生支援としては、総額14.6億円の補正予算を用意。これは、学生一人あたり約7万3000円の支援額に相当するという、非常に手厚いものです。この予算を用いて、オンライン授業特別給付奨学金や経済支援奨学金などを実施しました。

 コロナ禍における一連の対応は、「学生を誰一人取り残さない」を念頭に取り組んでいます。これは本学の組織文化の神髄であり、同時に「摂取不捨」の精神に基づいて本学が取り組む「仏教SDGs」の実践そのもの。困難に直面している今、教職員も学生とともに多くの気づきを得て学んでいます。ともにこの危機を乗り越えていきましょう。

学生サポート

命をつなぐ緊急支援として食材を無償配布

 4月下旬に実施した緊急アンケート調査で、回答者のうち一人暮らしの学生や留学生の半数以上が食生活に不安を抱えていることを把握した龍谷大学。これらの学生への支援措置として、いち早くスタートさせたのが「食支援プロジェクト」だ。

 第1段階「緊急食支援」は、緊急事態宣言発出を受けて5月から実施。5日分の食材を無償で提供し、最大一週間あたり1200名以上の利用があった。緊急事態宣言が解除された後に実施された第2段階「自立支援」では、食材を安価にて有償で配布。食材の配布作業などに学生を雇用し、給与を支給することで経済面でのサポートも同時に行った。また、同時期に支援の輪は大きく広がり、企業・団体からの支援は20を超えた。8月上旬まで25回続いた食支援プロジェクトで、約5万2500食がのべ約6000人の学生に届けられた。

 その後、地域の飲食店と連携した食支援・地域経済活性化に向けた取り組みが行われた。学生が地域の飲食店を利用することで、学生の食生活を支えると同時に、コロナ禍でダメージを受けた地域経済の支援も目指した。

写真 写真 写真

食支援プロジェクトは、学生の「いのちを繋ぐ」目的で実施し、学外の企業・団体20以上から寄付や協力を得ながら、情勢変化に合わせて4段階で支援を行った

メンタルサポート

オンラインイベントや相談室で学生に寄り添う

 4月から学部単位にてSNSで新入生サポートに立ち上がっていたのを受け、5月9~16日にかけて、大学全体でオンライン新入生歓迎イベント「Ryukoku Online Start-up Week(ROSW)」を開催。卒業生や教員による講演、部活・サークル紹介、履修や学生生活に関する相談会といったプログラムを実施し、不安を抱く新入生に寄り添い、「大学で学ぶことの楽しさ」を共有する場を作った。また、教職員から集めたハガキを食支援プロジェクトの食材と一緒に配布し、コロナ禍だからこそ、学生に人と人とのつながりを感じてもらうために、気持ちを伝えたい人に手紙を出す「『ことば』が紡ぐまごころプロジェクト」を実施。後期には学生の心のケアに関するサポート体制を拡充。「出張:なんでも相談室」と「オンライン相談」を開設し、不安や悩みを抱える学生への支援を進めている。

ROSW

ROSWにはのべ約5000人が参加し、新入生が友だちを作る交流の場にもなった

学びのサポート

学生の学びを止めない「まごころ」ある支援

 全面的にオンライン授業となった前期は、ノートパソコンやWi-Fiルーターの貸し出しを行うとともに、講義資料などをコンビニで無料印刷できるサービス「いつ・どこ・プリント」も実施し、オンラインで学ぶ学生をサポートした。対面での授業が段階的に開始された後期は、感染予防・感染拡大防止対策としてソーシャルディスタンスの確保を徹底。「不自由な学生生活を強いられた学生に少しでも寄り添いたい」との思いから、使用禁止の席には、学長・副学長・各学部長等からのメッセージと、教職員などの手による折り鶴が添えられている。

編集長が解説!

鈴木編集長

中村編集長

編集長

強みを活かしたまごころの支援

 ライフラインである「食」を支援するという取り組みは、学生が直面する困難に真に寄り添ったものだと感じました。農学部の「食」に関する研究や実践、社会との連携に力を入れてきた、龍谷大ならではの強みを生かした支援とも言えますね。
(鈴木編集長)

 コロナ禍での取り組みのすべてに、「まごころある市民を育てる」という龍谷大の姿勢が表れています。ソーシャルディスタンスで使用禁止の席にメッセージを置くというのも、ただ感染予防策を取るのではなく、大学の学生への思いが感じられました。(中村編集長)

龍谷大学
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