一人ひとりに敬意を払い“その人らしく生きられる社会”を実践 カスタムメイドケアで認知症に向き合う

SOMPOホールディングスがグループ横断で認知症の課題に取り組む「SOMPO認知症サポートプログラム」。認知症になってもその人らしく生きられる社会の実現のため、SOMPOで介護事業を担うSOMPOケアは利用者一人ひとりに合わせた高品質のケアに取り組んでいる。

文/武田 洋子 撮影/スケガワ ケンイチ
デザイン/川上 博士(川上博士事務所) 企画・制作/AERA.dot AD セクション

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折野千恵 氏・増山緑 氏
SOMPOの新たな挑戦 認知症の課題に本気で向き合う vol.03

自分の人生を自分で決める それが自立支援

折野千恵

SOMPOケア
執行役員 CLO(Chief Learning Officer)
折野 千恵

高品質なケアとは何を指すのだろうか?

SOMPOケアの折野千恵さんにとって、その答えは「相手を知る」ことから始まる。

「車の運転が危ないなど、高齢者だからと一律に能力を低く見るのは差別的です。目の前の相手を正しく理解し、尊重することが高品質なケアの基本です」

介護の総合ブランドであるSOMPOケアの経営理念は、人間尊重と自立支援だ。介護される側だけでなく、介護する側も等しく尊重され、互いに敬意を持った関係性を築く。そのうえで利用者の自立を支援していく。SOMPOケアの考える自立とは「自分のことを自分で決める人生」であり、それを実践するための支援がカスタムメイドケアなのである。これは、相手が認知症であっても変わらない。

個別のヒアリングでカスタムメイドケアが浸透

増山 緑

SOMPOケア
教育研修部 ケアマネジメントシステム企画課 課長
増山 緑

増山緑さんはカスタムメイドケア導入のトライアル時期から、現場支援の中核として多くの拠点に足を運んでいる。

「利用者お一人ずつのケアプランの質をどう高めていくかを現場と一緒に考えていくのですが、難しい点としてよく挙がるのが、ご本人とご家族の要望が異なるケースです。例えばご本人は一人でお風呂に入りたいと願い、ご家族は心配して介助を望まれる。ここで大事なのは、『一人で入浴してもいいけれど20分経ったらスタッフが声をかける』など、両者と一緒にルールを作っていくことです。関わる人全員が対等な立場で情報を共有し、話し合います。ご本人が『自分で決めた』と納得されることが大前提で、そこに時間をかけるのです」

利用者に必要な支援は多様で、現場が抱える課題はそれぞれに少しずつ違う。全体的な基礎研修に加え、個別に訪ねてヒアリングをすることで、カスタムメイドケアへの理解は進んだ。本格的な導入までに2年を費やしたトライアルは、ケアプランと実践の乖離が軽減する、職員の参加意識が向上するなど、一定の成果を示した。

「お金も時間もかかりますが、導入に踏み切った判断は必ず、将来的にケアの品質と生産性の向上という結果で報われると信じています」(折野さん)

現場の喜びをしっかりと支えていく

現場で困難な事例が発生した場合に備え、増山さんの課や支援の実践グループ、医療・看護、リハビリの専門チームが、個別に対応できる仕組みも整った。

「今後もアンケートなどを通じ、さらに水面下にある現場の声を丁寧に聞き取っていくつもりです」(増山さん)

現場で有効だった実践方法を集めて共有する取り組みや、人間性を尊重し認知症に有用なケアメソッドとして知られるユマニチュード採用の検討など、いつまでも"その人らしく"いられる支援への探究は続く。

「一人ひとりと向き合うのは大変ですが、喜びでもあります。ご利用者にとって自己決定が重要であるように、職員も、自分でこの仕事を選んだ人には強い志が感じられます。そこを支えながら、共通の理念に向かっていきたいと思います」(折野さん)

提供:SOMPOホールディングス