五輪出場を決め、手倉森監督に水をかける選手たち (c)朝日新聞社
五輪出場を決め、手倉森監督に水をかける選手たち (c)朝日新聞社

 男子サッカーのリオ五輪アジア最終予選を兼ねたU−23(23歳以下)アジア選手権の準決勝イラク戦、日本は終了間際の決勝弾で2−1と勝利し、6大会連続の本大会出場を決めた。さらに決勝の韓国戦では、3-2と劇的な逆転勝利を果たし、アジア王者に輝いた。

 試合直後、報道陣の前に姿を見せた手倉森(てぐらもり)誠監督(48)は開口一番に「しびれた。出来すぎ。劇的すぎる」と興奮気味に振り返り、安堵した様子を見せた。

 W杯と違い五輪の男子サッカーには年齢制限があり、今予選のメンバーは1993年以降に生まれた選手たちで構成された。この世代は2014年のチーム発足から過去2度アジアの大会に出場しながら、いずれもベスト8の壁を突破できないなど前評判が低く、予選突破を不安視する声は大きかった。近年、日本サッカーがアジアの舞台でこれほど苦戦を予想されたことはなく、手倉森監督は「(連続出場を途切れさせられないという)重圧はもはや恐怖だった」とも表現した。

 だが、指揮官は若い選手たちをまとめ上げ、中2日が3戦続いた過密日程も時には弱者に立った戦い方に徹し、見事勝ち抜いた。準決勝までの5試合、毎試合スタメンを入れ替え、23選手のうちGK1人を除く全員が1度は先発するなど、9人で12得点。起用した選手が次々に結果を残す勝ちっぷりは、ある意味で神がかっているようだった。

 主将の遠藤航はリオへの切符を勝ち取った要因について、こう話した。

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