しかし男子には及ばないものの、今回の代表メンバーを見てみると、近年の体操女子が着実に力を付けてきていることがわかる。若手のホープ・宮川紗江は、昨年、若干16歳で迎えた世界選手権のゆかで4位に入賞するという実績を誇っている。村上も選考大会ではゆかで15.1点の高得点をマークしており、五輪でも高得点が期待される。女子主将の寺本明日香は初の五輪となった前回大会・ロンドン五輪で安定感のある演技を披露。今大会もオールラウンダーとして、多くの種目でチームを支えてくれるはずだ。初代表の杉原愛子も成長が著しく、2015年のNHK杯で個人総合初優勝を飾っている。若手を筆頭に、勢いをつけつつあるチームなのだ。

 ここに、内山が得意種目・段違い平行棒で高得点を出せば、チームの大きな力になる。最近の大会では安定感を欠いているが、ノーミスならかなりの高得点が期待できる。代表合宿入りしてからは徐々に仕上がっており、7月半ばの時点で「(完成度は)8割くらい。合宿や現地入りしてからもっと上げていければ」と言う。

 世界選手権では悔しい思いをしているだけに、リオ五輪はその雪辱を果たす大会になるか……と思いきや、内山自身は「リオ五輪は、平常心で、自分らしい演技をして、ずっと笑顔でいられるような大会にしたいです」と語る。

 世界選手権の雪辱や、体操女子の将来を見据えた高い目標はある。だが、彼女が笑顔で大会を終えることが出来れば、望む結果も自ずとついてくることだろう。

(文・横田 泉)

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