準決勝の東海大戦で勝ち越しのトライを決めた明治大・伊藤耕太郎
準決勝の東海大戦で勝ち越しのトライを決めた明治大・伊藤耕太郎

 今シーズンの大学王者は4大会ぶり10度目の優勝を狙う帝京大か、3大会ぶり14度目の頂点となる明治大か……、ラグビーの第58回全国大学選手権は9日に東京・国立競技場で決勝が行われる。帝京大(関東大学対抗戦グループ1位)と明治大(同3位)は対抗戦に続く再戦で、昨年11月は帝京大が14-7で勝利。選手権決勝での対戦は4年前の第54回大会以来で、その試合では21-20で競り勝った帝京大が9連覇を達成している。7日には両校の試合登録メンバーが発表された。

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 帝京大は準決勝で試合終盤まで京都産業大(関西大学Aリーグ1位)に苦しめられた。本来のポジションはスクラムハーフ(SH)ながらフルバック(FB)で出場した谷中樹平(3年、御所実業)やウイング(WTB)の白國亮大(4年、摂津)のトライで前半20分までに10-3と先行しながら、京産大の厳しい防御に守勢に回り、反則を連発。ペナルティーゴール(PG)を重ねられ、2トライも許して、10-23と13点差をつけられて折り返した。

 後半もトライを取っては取り返される展開。そんな流れが変わったのは、20分に負傷でリザーブに控えていたキャプテンのプロップ細木康太郎(4年、桐蔭学園)が途中出場してからだ。スクラムで再三圧力をかけた末にSH李錦寿(1年、大阪朝鮮)がトライ。31分にまたもスクラムで相手を苦しめて反則に追い込み、スタンドオフ(SO)高本幹也(3年、大阪桐蔭)がPGを決めて追いついた。そして、試合終了間際、連続攻撃から最後は途中出場のWTBミティエリ・ツイナカウヴァドラ(3年、豪セントジョセフカレッジハンターヒル)が試合を決めるトライを挙げ、37-30で勝利を収めた。

 一方、明治大は準決勝第1試合に登場し、序盤からスクラムで優位に立った。東京オリンピックのラグビー(7人制)日本代表だったウイング石田吉平(3年、常翔学園)の2トライとナンバー8の大石康太(4年、國學院久我山)のトライで21-3と大きくリード。前半終了直前の東海大の連続攻撃も守り切った。

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