写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ

 よどみなく語る口調に、静かな怒りと悲しみが入り混じっていたように感じた。ドジャース大谷翔平が現地時間の25日、水原一平通訳が巨額の違法賭博問題で開幕戦直後に解雇された件に関して、声明文を発表した。

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 日米のメディアで、この会見の様子は繰り返し報じられた。焦点となったのは、大谷は水原氏の違法賭博をどのタイミングで知ったのか、そして、違法ブックメーカーに水原氏が請求された借金450万ドル(約6億8000万円)の肩代わりに関与したのか。大谷はこの2点について明確に説明している。

「まず初めに、僕自身は何かに賭けたり、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたり、それを頼んだりということもないですし、僕の口座からブックメーカーに対して、誰かに送金を依頼したことももちろん全くありません」と借金の肩代わりを全否定。「数日前まで、彼がそういうことをしていたというのも全く知りませんでした。結論から言うと、彼が僕の口座からお金を盗んで、なおかつ皆に嘘をついていたというのが結論」と語った。

違和感を感じていた

 そして、「僕がこのギャンブルに関しての問題を初めて知ったのは、韓国の第1戦が終わった後のチームミーティングです。そのミーティングで彼は英語で全て話していたので、僕に通訳はついておらず、完全には理解できていなくて、何となくこういう内容だろうなと理解していましたが、なんとなく違和感も感じていました」「一平さんがその時、ミーティングの時にギャンブル依存症だと知らなかったし、彼が借金をしていることはもちろん知りませんでした。彼の借金返済に同意していませんし、ブックメーカーに対して送金をしてくれと頼んだことも、許可したことももちろんないです」と開幕戦の試合後まで、水原氏が巨額の借金を抱えていた事実を知らなかったことを強調した。

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平気で嘘をついてしまう