株価を予測するのは難しい

 テイ・エス・テックは自動車用の内装品を開発から生産まで一貫して手がける。販売先は筆頭株主であるホンダ向けが多いが、米国を中心に海外売上高比率が8割を超えるグローバル企業だ。配当利回りは3月6日時点で3.8%、今期で12年連続の増配を計画している。

「中期経営計画では『株主資本配当率(DOE)』を今期予想の3.1%から、2年後の26年3月期に3.5%まで引き上げる方針を示しています。配当政策として、最終利益に対する割合『配当性向』を目安として用いるところが多いのですが、DOEは最終利益よりも決算期ごとの変動が少ない株主資本がベースです。そのため、より安定的な配当が期待できます」(鈴木さん)

株主への還元姿勢

 リース大手の三菱HCキャピタルは、今期には25期連続の増配を予定する。会社側のイメージとして配当性向40%であることもあり、配当利回りも3.5%と高水準だ。

 通信ネットワーク事業を手がけるコムシスホールディングスは今期で11期連続の増配予定。ほかにも自社株買いや自社株の償却を行うなど、株主への還元姿勢を強めている。

 アイカ工業は化粧板や接着剤の大手メーカー。テーブルなどの表面材として使われる「メラミン化粧板」では国内シェアトップ。今期で15期連続増配を計画するが、25期連続で減配していない点も大きな特徴だ。

 3月期決算企業にとって、決算期末の3月は配当や優待をもらう権利が確定する「権利付最終売買日」や、その翌営業日にあたる「権利落ち日」をめぐって株式取引が膨らみ、株価は変動しやすい。3月末(3月29日)が権利確定日の銘柄の場合、権利付最終売買日は3月27日だ。配当や優待を得たいなら、この日にその企業の株を持っている必要がある。

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業績や株価は常に変化するもの