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 新NISA(少額投資非課税制度)では配当利回りが高い「高配当株」が人気だ。ただ、配当利回りは1株あたりの年間配当金を株価で割って求める値なので、その時々の株価によって変わる。配当金自体もその企業の業績や方針で左右される。そこでより長く、安定的な配当が期待できる「連続増配株」に注目。株式の専門家に期待できる銘柄を選んでもらった。

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 新NISAがスタートしてから2カ月余り。新NISAなどを通じて市場に入ってくる個人投資家の資金は、日経平均株価が4万円の大台に乗せるなど、これまでの上げ相場を下支えしてきた。ところが、3月11日の東京株式市場は、日経平均株価が前週の米国株式市場の下落を受け、これまで相場を主導してきた半導体関連株が値下がりし、前日比868円45銭安の3万8820円49銭と大幅安。12日も一時500円以上下げる場面があった。

 個人投資家が買っているのは日本を代表するような大型株が中心のようだ。ネット証券大手、SBI証券の最近の週間買い付け金額ランキング(3月4日~3月8日)をみると、上位にはアステラス製薬やJTなど配当利回りが4%を超えるような高配当株も引き続き人気だ。

利益を上げることが一層大事

 SBI証券投資情報部長の鈴木英之さんは言う。

「新NISAは株式などを売って得られる値上がり益や配当に税金がかかりません。ただし、投資する際に、値上がり益がどのくらい得られるのか、あらかじめ予想するのは難しい。これに対し、配当はある程度の見通しがつきます。特にNISAでは投資で損した分を利益から差し引ける『損益通算』ができません。ですから利益を上げることが一層大事。高配当株への関心が高いのはそういった理由があります」

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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十分な利益がなければ分配できない