PL野球部は窮地に…(※イメージ)
PL野球部は窮地に…(※イメージ)

 2009年夏以来、甲子園から遠ざかっているPL学園野球部は13年2月に暴力事件が発覚し、監督が実質不在の状態が続いてきた。今年度から新入部員の募集を停止し、新チームの部員数はわずか12人(出場資格保持者は11人)。ノンフィクションライターの柳川悠二氏はこの1年、PLの廃部問題を取材してきたが、室内練習場の取り壊しも決まり、もはや風前の灯(ともしび)である。これまで無言を貫いてきた中村順司元監督(69歳、1980~98年在任、現名古屋商科大野球部監督)に無理をお願いし、廃部問題について質問をぶつけた。

──PL野球部は窮地にあります。

 学園の母体であるパーフェクトリバティー(PL)教団の決定ですから、現場を離れている私が軽はずみなことを言えません。学校の校歌には「永遠の学園」とある。卒業生として復活を希望しますし、PLの伝統を絶やしてはいけないと思っています。

──中村監督の復帰を願う声もある。

 PL野球を受け継いだ、指導者にふさわしい人材は他にたくさんいます。プロに行った選手だけでも、計79人(そのうち中村監督が育てたのは39人)いるわけだから。アマチュアの世界でも、卒業生がたくさん、今も野球に携わっています。

次のページ