羽生の今後のスケジュールをこう予測する。

「世界選手権まで出ますかね。それもちょっと心配だなと思ってるんですけど。まだ足、ちょっと悪いと思うので。若い選手がジャンプを跳べるようになっているじゃないですか。アメリカの3番手の選手もルッツをきれいに跳んでますし。そういう子が出てくると、彼もやらなきゃいけなくなる。すべりだけで乗り切れる問題じゃないと思う。もし、現役を続けるとしたら4回転半を成功させることができるかできないか。成功したら北京(五輪)までやれる。ダメならたぶん、やらないと思う」

 羽生のライバルたちの成長はどうか?世界のスケート情勢をこう語る。

「アメリカでスケートの人気が今ない。以前はアメリカ現地でテレビをつけると必ずどこかのチャンネルでアイスショーをやっていた。それだけ人が入っていた。今は会場に人が入らない。ヨーロッパなんてぜんぜん、観客が入らない。いま、観客が一番入るのは日本ですよ。たとえば、台湾や北京の試合へ行っても、観客席は日本人ばっかりです。昔はどこの国へ行っても、アメリカ、カナダのツアーの団体がいた。そういう人達がほとんどいなくなった」

 北京で羽生の姿を見ることはできるのか。(本誌・上田耕司)

※週刊朝日オンライン限定記事

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上田耕司

上田耕司

福井県出身。大学を卒業後、ファッション業界で記者デビュー。20代後半から大手出版社の雑誌に転身。学年誌から週刊誌、飲食・旅行に至るまで幅広い分野の編集部を経験。その後、いくつかの出版社勤務を経て、現職。

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