「Kさんはもともと北の湖前理事長と一緒に恵観先生の護摩行に来ていた。北の湖さんが亡くなり、行き場がなくなったKさんを、私が貴乃花親方につなぎました。『貴乃花親方を内部から応援せなあかん』とね」

 ヒートアップする理事長選は、メディアを巻き込んだ「諜報合戦」の様相を呈しつつある。3月10日発売の「週刊新潮」では、日本相撲協会外部理事の宗像紀夫氏が実名でインタビューに応じ、「八角理事長に告ぐ 相撲協会の私物化を止めよ」という見出しの特集記事を掲載している。危機管理委員長としてK氏の金銭授受疑惑を調べ、問題なしとした人物だ。

 記事中で宗像氏は、八角親方が理事長に就任した手続きを不透明な「出来レース」と糾弾した。宗像氏は本誌の取材にこう語る。

「K氏の金銭授受問題は当時、複数の弁護士を使って調べ決着した。理事会に報告し、反対する人もいなかった。K氏がいると協会の運営が自由にならないと考える人たちがいるのではないか」

 貴乃花親方の“奇々怪々”の人脈はまだあり、「ワキの甘さ」を心配する次のような声も上がった。

「貴乃花親方の先代からの後援者にある新興宗教の指導者がいるが、あまり評判のよくない人物。『付き合いは控えたほうがいい』と忠告したことがあるが、続けている。貴乃花親方のタニマチだった政商、泉井氏は服役を終えましたが、かつてほどの援助はもうできない。貴乃花親方の金銭面は楽ではないようで、新興宗教の指導者らを切るのは難しいのでしょう。そういうところで理事長選に影響が出ないか心配しています」(貴乃花一門後援会関係者)

 貴乃花親方の自宅の登記簿を調べると、昨年9月に金融機関から極度額1億8千万円の根抵当権と、計2億円の抵当権が設定されていた。先代から相続した東京都中野区の貴乃花部屋の土地建物の所有権は、08年に都内の不動産会社に売却している。

 貴乃花親方にK氏を巡る八角理事長とのやりとりについて尋ねるとこう回答した。

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