日本球界の至宝が、メジャーに壊される姿だけは見たくない (c)朝日新聞社 @@写禁
日本球界の至宝が、メジャーに壊される姿だけは見たくない (c)朝日新聞社 @@写禁

 ヤンキースの田中将大投手(25)の復帰計画が不透明になってきた。

 今月8日(現地時間、以下同)のインディアンス戦で7回途中にKOされたあと右肘の異変を訴え、DL(故障者リスト)入りしたマー君。医師が下した診断は「右肘内側側副靱帯(じんたい)部分断裂」。ただ「断裂は小さい」との所見から「3人の医師共に手術は勧めなかった」(キャッシュマンGM)と発表された。

 田中は14日に注射による再生医療“PRP療法”を受けたが、23日にキャッシュマンGMがラジオ番組で、こう語ったのだ。

「田中は、まだ肘に痛みがある。(中略)まだ何かを判断するには早すぎる……(靱帯修復のためのトミー・ジョン手術は)多くの投手が成功しているが、術後に元の投球ができなくなった投手もいる。田中が元通りになる保証がない」

 この状況をスポーツ紙デスクはこう解説する。

「やはり、という印象です。故障した第一報の時点で、ニューヨークのメディアはどこも『手術するだろう』と伝えていた。田中に162億円を払う契約をした球団フロントは、ブランクをつくらずに働いてほしい。これで今季を終わったら、彼らが責任を追及されることになりますから。投手陣が崩壊しているヤンキースとしては、今季は田中に早く戦列復帰してもらい、仮にそれで田中がより深刻な故障を起こしても、オフに来季に向けた補強をすればいいと考えるはず。一方の田中も“給料ドロボウ”と言われたくないでしょう」

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