「男の娘」「女装子」と呼ばれる人々 “中性化受け入れ”円満な夫婦の鍵

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by ライター・森友ひい子 (更新 2014/6/ 2 11:30)

ゆりだんし(myway mook)

立花奈央子写真
定価:2,037円(税込)

amazonamazon.co.jp

 中山美穂、辻仁成夫妻の離婚騒動で注目された「中性化する男子」。男(おとこ)の娘(こ)、女装子(じょそこ)などと呼ばれる人々だ。最近では“男の娘×女子”のカップルが増えているという。

 女装する男性たちを撮り続けるカメラマン・立花奈央子さんが証言する。

「男の娘がブームになったのは2009年頃からですが、今も男の娘用のメーク雑誌の創刊、女装用サロンのオープンが相次いでいます。最近の現象としては、女性たちが彼らを積極的に受け入れるようになってきたことがあげられます」

 女装向けスタジオを運営する立花さんは、月に20~30人の男の娘を撮り下ろし、撮影希望者は今、増加しているという。写真集『ゆりだんし』(マイウェイ出版)も好評で、男の娘からの信任が厚いことから、よく恋愛相談を持ちかけられるそう。

「女性はかわいいもの、きれいなものなら抵抗なく受け入れられます。それでいて、男性性も残っているアンバランスなところにドキドキするんです。彼にお化粧をしてあげたり、似合う服を選んであげたり……お人形遊び感覚で、きれいにしてあげるという喜びもありますね」(立花さん)

 立花さんによると、最初から女装趣味があったわけではなく、結婚してから目覚める男性も少なくないという。まさに「夫の中性化」だ。

「男性は人生で3回、女装に目覚めるタイミングがあるんですよ。まずは思春期、次は30~40代にかけて。最後は60代でリタイアしてから。社会や家庭で男性として求められる役割が変わるときに、“性の揺らぎ”が訪れます。目覚めた年齢が遅いほど、ハマりやすいんですよ」(同)

 妻にはとてもじゃないけど打ち明けられないという人もいれば、あえて自分だけの秘密にして女装を楽しんでいる男性もいる。大阪を拠点に“Re;姫かうんせらぴー”として夫婦問題のカウンセリングを行う村越真里子さんはこう言う。

「相談に来たのは、40代後半、大きな会社に管理職として勤める男性でしたが、週末になるとスーツをロッカーに預け、女装してクラブでアルバイトしているそうです。彼の悩みは、妻にその事実を打ち明けるべきか否かということでした」

 会社では重圧が多く、板挟みになるばかりで、誰も褒めてくれない立場。家庭でも夫として父として尊重されているわけではない。それが女装をしたとき、「きれい」と褒めてもらえた……。さらに女装クラブで、性別や男性社会特有の上下関係にとらわれない時間を過ごすことで、男という鎧(よろい)を脱げたのではないかと、村越さんは見る。

 前出の立花さんがこう予言する。

「男の女装を容認しているカップルは長続きします。一度、女装を知ってしまえば“いつか卒業できる”ものではないから、隠し事にしないほうがいい。受け入れ合うことで絆が強くなるカップルを、私もたくさん見てきました。そんなふたりは一緒に出かける機会が多いし、会話が尽きないから、とにかく仲良し! 日本は女装先進国だし、これからも性別とか着ている服とかにとらわれない、自由な発想のカップルが増えるでしょうね」

 夫婦カウンセラーの村越さんもこう断言する。

「男性が気に病む以上に、女性のほうは『これも夫の一部』と受け入れる覚悟ができています。それに、世の妻たちは、亭主関白すぎて妻を下に見て家政婦としてしか扱わないような夫と、女性ぽくてちょっと頼りないけど、やさしくて価値観を共有し合える夫だったら、絶対に後者を選ぶもの。相談にみえた女装男性にも、そう伝えました。女性だってお転婆な人がいたり、スポーティーでボーイッシュな人がいるんだから、中性的で女装好きな男性がいてもいいですよね」

(ライター・森友ひい子)

週刊朝日  2014年6月6日号より抜粋

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