夫婦2人で笑顔で入籍を報告(本人のSNSより)
夫婦2人で笑顔で入籍を報告(本人のSNSより)

――10代からアイドルとして活躍されてきて、仕事と結婚・出産のタイミングなど自身の悩みも原点にあったのでしょうか。

そうですね。母も祖母も30歳で子どもを産んでいるので、「30歳で私も!」という意識は幼いころからあって、でも仕事もすごく好きなので、結婚のタイミングや自分のキャリア、仕事と結婚のどっちを取るかという悩みはありました。

今も疑問に思っているのは、10代、20代の頃は周りの大人たちに「やりたいことは?」「好きなことを見つけなさい」と言われて、みんな頑張って勉強したり、いい大学を目指したり、働くことをイメージしますよね。私も頑張って芸能界でキャリアを重ねてきました。

それなのに年を重ねていくと、いつからか女性だけが「結婚するか仕事するか」どちらを優先するのかを考えたり、周りからも「そろそろ子どもは?」「いい人いないの?」と心配されたり期待されたりします。そんな時にやはり今まで積み上げてきた仕事をどうしていくべきか、なかなか答えを出せず……。男性みたいにどっちも選択できたらいいんですが、どうしても出産の期間は休業しなきゃいけないし、子どもの預け先が見つからなかったり高額だったりして、すぐには仕事復帰が難しく、結局キャリアを諦めたり、自分の立ち位置を誰かに譲らなきゃいけなかったりする場合も少なくないです。

私も出産前は「結婚しても子どもが産まれても仕事したい!」って軽く言っていたのですが、思っていたより何倍もパワーが必要でしたし、そのギャップに悩んでいる方もすごく多いんじゃないかと思うようになりました。仕事を続ければ「子どもがかわいそう」と言われることもあるし、すごく複雑。正直、まだまだ男女平等ではないのかなと感じる場面も多いです。

私が、妊娠が分かったときにライフスタイルブランドを立ち上げ、出産後すぐにスキンケアブランドを始めたのも、女性だって結婚も出産もやりたい仕事も夢も全部選択してもいいという考え方が広がるといいなと思うからです。考え方が変われば、保育園やベビーシッターが使いやすくなったり、男性も育児に参加できるようになったりするかもしれない。女性がやりたいことを犠牲にしない社会になってほしいですし、社会全体で子育てができて助けてもらえるといい。これって少子化問題にも関わってくると思います。

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「プロ野球選手の妻」でも働く理由