岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office
岩合光昭 (c)Iwago Photographic Office

 動物写真家・岩合光昭さんが見つけた“いい(こ)”を紹介する「今週の猫」。今回は、タイ・チェンマイの「絶妙にゃ距離感」です。

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 山岳地帯に暮らす少数民族・モン族は、伝統的な刺繍細工の文化を守り継いでいる。70歳のチェおばあちゃんも、軒下で熱心に刺繍糸を繰る。言葉は通じなかったが「写真を撮ってもいい?」と身振りで尋ねると、にっこり微笑んでくれた。

撮影/岩合光昭 (c)Mitsuaki
撮影/岩合光昭 (c)Mitsuaki Iwago

 足元にはグレーの乙女ネコ・ミャーオが寄り添い、後ろにはニワトリがウロウロ。ヒトの暮らしに動物たちが溶けこむ。お互い干渉しすぎず、それぞれが自分のペースで悠々と生きる。この光景も、ずっと昔から、守り継がれているのだろう。

週刊朝日  2022年12月16日号

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岩合光昭

岩合光昭

岩合光昭(いわごう・みつあき)/1950年生まれ。動物写真家。1980年雑誌「アサヒグラフ」での連載「海からの手紙」で第5回木村伊兵衛写真賞を受賞。1982~84年アフリカ・タンザニアのセレンゲティ国立公園に滞在。このとき撮影した写真集『おきて』が全世界でベストセラーに。1986年ライオンの親子の写真が、米「ナショナルジオグラフィック」誌の表紙に。94年、スノーモンキーの写真で、日本人として唯一、2度目の表紙を飾る。2012年NHK BSプレミアムで「岩合光昭の世界ネコ歩き」のオンエア開始。著書に『日本のねこみち』『世界のねこみち』『岩合光昭写真集 猫にまた旅』『ふるさとのねこ』『ネコを撮る』『ネコへの恋文』など多数。初監督作品となる映画「ねことじいちゃん」のBlu-rayとDVDが発売中。

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