キャバ嬢メイクでブレークしたファーストサマーウイカ

時代劇に出るためにピアスも開けず

 そんなウイカだが、大河の放送に合わせて黒髪清楚カットを披露。しっかりと物語に寄せてきた。清少納言役へのキャスティングに関しては、脚本家の大石静がウイカに会った途端に「清少納言だ」と思ったと語っている(「ステラnet」2月11日配信)。これまでも、朝ドラ「おちょやん」での微妙にうさんくさいハリウッド帰りの女優役、永野芽衣主演・バカリズム脚本の映画「地獄の花園」(2021年)でのヤンキーOL役などクセのある役を演じてきたが、大河出演によって、本格的な女優業のスタートになるかもしれない。

「ウイカさんは『いつか時代劇に出たい』と、メークで隠す手間をかけさせないようにピアスホールを開けずにいたと番組で語っていたこともありました。それほど、彼女はもともと役者志望なんです。今期のドラマでは、『不適切にもほどがある!』にも出演していますが、子どものころから、脚本の宮藤官九郎や主演の阿部サダヲが所属する劇団・大人計画のドラマや舞台に影響され、役者を目指してきたそうで、オファーに震えが止まらないほど感動したとインタビューで語っています。大河で爪痕を残すことができれば、バラエティータレントから徐々に女優業にシフトしていくのではないでしょうか」(前出のドラマウォッチャー)

 芸能評論家の三杉武氏はウイカについてこう述べる。

「ファーストサマーウイカさんは、アイドルグループで活動する前から劇団に所属して舞台や映画で女優としても活動しており、当時の共演者やスタッフからも高い評価を受けていたようなので、現在の活躍にも納得です。バラエティーで活躍するバラドルとしてブレークし、その後女優としても成功したケースとしては小池栄子さんやMEGUMIさんなどがいます。2人とも優れた演技力や存在感はもちろんのこと、バラエティーでの活躍があったからこそ幅広い支持を集めた印象があります。そういう意味ではウイカさんもバラエティーでの活動が女優業においても追い風になるのではないでしょうか」

 大河ドラマという大舞台で、女優としてウイカがどう花開くのか楽しみだ。

(雛里美和)

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雛里美和

雛里美和

ライター。新宿・十二社生まれの氷河期世代。語学系出版社から邦ロックシーンを牽引するライブエージェント(イベンター)を経て、独立。教育からエンタメまで幅広い分野で活動する。

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