将来的にチームの主軸として成長することが期待される巨人・浅野翔吾

 160キロ近いストレートを投げる投手が珍しくなくなり、昨年は規定打席に到達して3割以上の打率をマークした選手がわずか5人と“投高打低”の傾向が年々強くなっている印象を受けるプロ野球。ただそんな中でも今後が楽しみな若き強打者候補は決して少なくない。そこで今回は3年後の2027年に強力打線となりそうな球団をトップ3形式で選んでみたいと思う。

【写真】「強力打線」を形成しそうな球団1位がこちら!

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3位:巨人

【想定される主力】

・リードオフマン候補:門脇誠・吉川尚輝・中山礼都・浅野翔吾・佐々木俊輔

・クリーンアップ候補:岡本和真・秋広優人・萩尾匡也・岡田悠希・菊田拡和

 長年チームを支えてきた坂本勇人、フリーエージェント(FA)で広島から加入してリーグ連覇に貢献した丸佳浩が1年を通じての活躍が難しくなっており、3年後にはスタメンから名を連ねる試合がかなり減ることが予想されるが、それでも3位と評価した。特に大きいのが昨年ブレイクした秋広と門脇の2人だ。秋広は身長2メートルの長身で、長打力に注目が集まるが、広角に打てる上手さがあり高い打率も期待できる。また門脇は昨年ルーキーながら夏場以降に大きく打率を上げ、今年もキャンプで順調な調整を続けており不動のショートに近づいている印象が強い。

 そしてチームの今後を考えると重要な存在になりそうなのが浅野と萩尾の2人だ。ともに昨年は二軍でしっかりと成績を残し、浅野はシーズン終盤に一軍でもホームランを放つなど非凡な打撃を見せている。浅野、門脇、秋広、岡本、萩尾が上位打線に並ぶようになれば、チームの将来は一気に明るくなるはずだ。

 ただ一方で大きな不安要素も存在している。それは主砲の岡本のメジャー移籍だ。まだ明確に海を渡るという強い意志を示しているわけではないが、昨年のワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でも結果を残したことでメジャー挑戦の意欲が高まることも十分に考えられる。そうなった時のことを考えても、スケールの大きいスラッガータイプの選手を今後もドラフトなどで狙う必要がありそうだ。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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巨人、阪神を抑えて1位になったのは?