放送作家の鈴木おさむさん

 鈴木おさむさんが、今を生きる同世代の方々におくる連載『1970年代生まれの団ジュニたちへ』。今回は、「ソフト老害」について

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 僕が書いた本「仕事の辞め方」の中の40代からの「ソフト老害」については、このエッセイでも書いた。

 今週、とあるニュース番組で、この「ソフト老害」が取り上げられて、トレンドに入り、そしてYahooのトップニュースにもなった。

 コメント数が凄いことになっているのだが、賛否が凄い。

振り切ることが大事

 僕のラジオに届いたメッセージは、「あなたは親に老害って言えますか?」というものだった。つまりは「老害」という言葉が嫌いなのに、なんで「ソフト老害」なんて言葉を作ったのかということだろう。

 あらためて整理しておくが、まず、最初に言いたいのは、自分が40代になり、自分がソフト老害であることに気づいたということだ。自分がソフト老害だと思うからこそ、みんなも気を付けてねという注意喚起。

 ソフト老害は、仕事場で、その人が上の人と下の人の間に入りバランスを取るところから始まっていく。

 結局、バランスを取ろうとしている人たちは、上の人たちの意見に寄っていくしかない。そうなったときに、若い世代に対して「俺はみんなの味方だよ」と言うところだ。

 若い世代からは「味方」と思われてないわけで、そこがポイント。

 僕は振り切ることは大事だと思っている。僕の知人は、以前テレビ局で、やんちゃで出来るクリエイターで、後輩たちの憧れの的だった。だが、40代を過ぎて50代になり、上の立場になり、その人のことをみんな「変わった」と言うようになった。自分は若いころやんちゃしていたくせに、上の立場になり、すっかり会社側になってしまったと。

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鈴木おさむ

鈴木おさむ

鈴木おさむ(すずき・おさむ)/放送作家。1972年生まれ。19歳で放送作家デビュー。映画・ドラマの脚本、エッセイや小説の執筆、ラジオパーソナリティー、舞台の作・演出など多岐にわたり活躍。

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