老後に対する不安はつきものだが……(※写真はイメージです Getty Images)

 老後のこと考えると、どうしてもお金や健康の問題、孤独感などがつきまとうもの。そんな老後不安をいかにコントロールするかが、人生の後半戦の幸福度を左右する。医師の小林弘幸氏は、定年後の隠居生活を意味する老後を「やめる」マインドが大切だという。朝日新書『老後をやめる 自律神経を整えて生涯現役』から一部を抜粋、再編集して解説する。

【図】認知症を予防するためには

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老後をやめると「3大不安」は怖くない

 朝日新聞のアンケートでは、回答者の97パーセントが「老後の生活に不安を感じる」と答えていました。では、具体的にどんなことに不安を感じているのでしょうか。内訳を見ていきましょう。

 圧倒的に多いのは、「自分が病気になる」(76パーセント)、「介護が必要になる」(73パーセント)といった健康面についての不安です。

 次に多いのは、「収入が減ってしまう」(33パーセント)、「資産が予定より早く枯渇してしまう」(32パーセント)といったお金に関する不安。

 そして「社会とのつながりが希薄になる」(33パーセント)といった孤独についての不安です。

 つまり、老後の3大不安は、「健康」「お金」「孤独」であることが、このアンケート結果から浮かび上がってきます。

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小林弘幸

小林弘幸

小林弘幸(こばやし・ひろゆき) 順天堂大学医学部教授。日本スポーツ協会公認スポーツドクター。1987年、順天堂大学医学部卒業。92年、同大学大学院医学研究科修了。ロンドン大学付属英国王立小児病院外科などの勤務を経て順天堂大学小児科講師、助教授を歴任。腸と自律神経研究の第一人者。『医者が考案した「長生きみそ汁」』など著書多数。テレビなどメディア出演も多数。

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