J1に昇格した町田の黒田剛監督

 カタールでアジアカップが開かれている最中、Jリーグ各クラブは2024年シーズンの開幕へ向けて各地でキャンプをスタートさせている。その中で、FC町田ゼルビア、ジュビロ磐田、東京ヴェルディの“昇格クラブ”はJ1の舞台でどこまで戦えるのか。また、“降格クラブ”の横浜FCは1年でのJ1復帰を果たすことができるのか。今季の「昇格」&「降格」の4クラブに注目したい。

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 昨季のJ2を制したのは町田だった。豊富な資金力を背景に大型補強で選手層を厚くした上で、高体連の青森山田から転身した黒田剛監督のもと、インテンシティーが高く、縦に速いサッカーで勝利を重ね、見事な一体感でJ2を独走優勝した。そのスタイルはJ1の舞台でも継続。揺るぎない信念があるチームはいつの時代もどのリーグでも強い。そして昨年の天皇杯で横浜FMを4-1で撃破したように、むしろボール保持にこだわるJ1クラブを相手にした方が戦術的に噛み合い、町田のサッカーがより生きてくるはずだ。

 その上で今オフの補強にも余念がない。FWナ・サンホ(←FCソウル)、FWオ・セフン(←清水)、FW藤本一輝(←大分)、MF仙頭啓矢(←柏)、MF柴戸海(←浦和)、DF昌子源(←鹿島)、DF林幸多郎(横浜FC)、DFドレシェヴィッチ(←ファティ・カラギュムリュク)、GK谷晃生(←G大阪)、GK山口瑠伊(←水戸)と各ポジションに実力者を獲得。長期離脱中ではあるが昨季18得点のFWエリキ、同10得点のFWデュークも残留し、J1仕様のチームに整えた。退団選手も少なく、間違いなく戦力はアップ。就任1年で結果を出した黒田監督の求心力も高まっており、このままの勢いで、残留争いではなくひとケタ順位、さらに上位に食い込んでくる可能性も大いにある。

 磐田は1年でのJ1復帰となった。こちらも指揮官の力が大きく、オフの補強禁止という制裁を受けながら横内昭展監督のもとで団結し、粘り強い戦いを継続して最後の最後で2位に浮上した。選手個々では、1トップとして試合を重ねる毎に成長を遂げたFWジャーメイン良が9得点を挙げ、左のドゥドゥ&松原后、右の松本昌也&鈴木雄斗の両サイドの奮闘が光った。だが、J1の中位以上のクラブと比べると、選手の能力、タレント力でどうしても見劣りすることは確かだ。

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東京ヴェルディは16年ぶりのJ1復帰!