ダウンタウンの松本人志と浜田雅功

 まもなく暮れる2023年を、AERA dot.で読まれた記事で振り返ります。8月は、夏の甲子園慶応が107年ぶりに全国制覇。日大アメフト部では、大麻などを隠し持っていたとして部員が逮捕され、その後問題が拡大していきました。また、東京電力福島第一原発の処理水の海洋放出が始まりました。AERA dot.では、動画配信サービスで記録的な視聴回数となった人気番組「水曜日のダウンタウン」について掘り下げた記事「『水曜日のダウンタウン』史上初1億再生回数突破 圧倒的な面白さはなぜ生まれたのか」が読まれました(肩書や年齢等は配信時のまま)。

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『水曜日のダウンタウン』(TBS)が、動画配信サービス「TVer」で再生回数1億回を突破した。これは同サービス史上初めての記録である。
 

 これについて、番組の演出を担当するTBSの藤井健太郎氏は「1億回という数字に実感はありませんが、1番になれたことはありがたいし、誇らしいです」とコメントした。

 また、一昔前のテレビ業界ではリアルタイム視聴の視聴率だけが評価の基準となっていたが、近年では見逃し配信サービスでの視聴回数も評価されるようになったことも前向きに捉えており、「TVerのこういった数字が評価の対象となることで、純粋な面白さを追求しやすくなりますし、そうすることで、視聴者の方々とも以前よりWin-Winの関係に近づけている気がします」と語っていた。
 

 ここで藤井氏が「純粋な面白さ」を追求しやすくなる、という表現を用いていることを不思議に思う人もいるかもしれない。見逃し配信があってもなくても、番組作りに携わる人が純粋な面白さを追求するのは当たり前のことではないのか、と。

 もちろんそれも一理あるのだが、「純粋な面白さ」とわざわざ言っているからには、そこに藤井氏の並々ならぬこだわりと自信があると見るべきだろう。

 逆に言うと「純粋ではない」とはどういうことだろうか。それは、目先の視聴率を確保するために面白さ以外の部分で「保険」をかけることを意味している。

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ラリー遠田

ラリー遠田

ラリー遠田(らりー・とおだ)/作家・お笑い評論家。お笑いやテレビに関する評論、執筆、イベント企画などを手掛ける。『イロモンガール』(白泉社)の漫画原作、『教養としての平成お笑い史』(ディスカヴァー携書)、『とんねるずと「めちゃイケ」の終わり<ポスト平成>のテレビバラエティ論』 (イースト新書)など著書多数。近著は『お笑い世代論 ドリフから霜降り明星まで』(光文社新書)。http://owa-writer.com/

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