今オフに巨人から中日に移籍した中田翔

 12月に入り、プロ野球のストーブリーグも折り返し地点を過ぎた印象が強い。まだ去就の決まらない大物選手も存在しており、ここから新外国人選手獲得のニュースも増える時期だが、現時点で積極的な補強が目立つ球団を3チーム、ピックアップしてみたいと思う。

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 まずセ・リーグで来季に向けて積極的に戦力を整えている印象を受けるのが巨人だ。今シーズンの救援防御率は3.83でリーグワーストの数字となっていることもあり、リリーフ陣の補強が目立つ。まずオリックスから金銭トレードで近藤大亮を獲得。2020年に右肘のトミー・ジョン手術を受けた影響でここ数年は成績を落としているものの、3度のシーズン50試合以上登板を記録し、通算71ホールドをマークしている中継ぎのスペシャリストだけに、かかる期待は大きい。

 さらに大きいのがウォーカーとのトレードでソフトバンクから獲得した高橋礼、泉圭輔の2人だ。高橋はプロ入り2年目の2019年に12勝をマークして新人王を受賞。その年のオフに行われたプレミア12でも侍ジャパンの一員として活躍している。翌年はリリーフに転向していきなり52試合に登板して23ホールドをマークし、中継ぎとしての適性の高さも見せた。それ以降は成績を落としているが、今年も二軍では21試合(うち14試合は先発)に登板して防御率1.24という圧倒的な数字を残しているのも頼もしい限りだ。

 一方の泉もドラフト6位(2018年)での入団ながら、1年目から中継ぎの一角として活躍。昨年までは3年連続で30試合以上に登板している。今年は大きく成績を落としたものの、二軍では46試合に登板しているのはプラス材料だ。ともにまだ20代と年齢的にも若いだけに、移籍をきっかけに大きく飛躍する可能性もありそうだ。

 加えてドラフトでは1位指名で即戦力として期待の高い、大学生投手の西舘勇陽(中央大)を獲得。また2位から5位まで社会人を揃えるという思い切った指名を敢行した。

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西尾典文

西尾典文

西尾典文/1979年生まれ。愛知県出身。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究し、在学中から専門誌に寄稿を開始。修了後も主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間400試合以上を現場で取材し、AERA dot.、デイリー新潮、FRIDAYデジタル、スポーツナビ、BASEBALL KING、THE DIGEST、REAL SPORTSなどに記事を寄稿中。2017年からはスカイAのドラフト中継でも解説を務めている。ドラフト情報を発信する「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも毎日記事を配信中。

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