ドーム型の「風SAUNA」と、床と一体型の「ととのいデッキ」。昼間は延岡の自然の景色を楽しめ、夜は星空や花火などを眺めながら、ととのうことができる。

全国のホテルや旅館などでサウナのトータルプロデュースをおこなっている笹野美紀恵さん。実家は、サウナ愛好家の間では“サウナの聖地”として知られる静岡の「サウナしきじ」だ。“しきじの娘”としてもサウナ界隈ではよく知られている存在。その笹野さんが今年、診療所に併設する形で、本格的に医療や健康を意識したサウナを新たにプロデュースした。「風SAUNA」と名付けられたそのサウナの特徴やプロデュースまでの経緯とは。

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「『サウナは単なる熱い箱じゃない!』とこれまでずっと言い続けてきましたが、長年の夢がついにひとつ、形になりました」

 そう語るのは、ONEBLOW代表でサウナトータルプロデューサーの笹野美紀恵さんだ。「長年の夢が形になった」とは、宮崎県延岡市の医療施設、大貫診療所に併設する形でこのたびオープンした「風SAUNA」のこと。笹野さんプロデュースのサウナだ。これまでも全国のホテルや旅館などでさまざまなサウナをプロデュースしてきたが、医師と薬剤師監修のもと、本格的に医療や健康を意識したサウナプロデュースは今回が初めてだという。

ONEBLOW代表でサウナトータルプロデューサーの笹野美紀恵さん

「じつは、自分が高齢になっても安心して入浴ができる温浴・リハビリ施設などをいつかはプロデュースしたいと思っていました。その矢先、『診療所の上にサウナをつくりたい』と、インスタグラムのDMで大貫診療所・榎本雄介院長のメッセージや企画書など熱い思いを受け取って。もちろん、二つ返事で了承しました」

「『病気じゃなくても来たくなる、集いたくなる、元気になる』。そんなプライベートサウナを診療所の上につくってほしい」というのが榎本院長のオーダーだった。

 老若男女だれでも足を運べるサウナ施設でありながら、さまざまな不調を抱えた人でも入れること。笹野さんはこのプロデュースにあたり、自らの体調に合わせて無理なくサウナを楽しむための数々の工夫をこらしたという。さらに、延岡の自然豊かな資源を生かしながら、女性目線のこだわりもたくさん詰め込んだ。

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風が感じられるサウナにしたい