厳しい表情を浮かべる楽天の田中将大

クライマックスシリーズ(CS)進出をかけた10月10日の最終戦・ロッテ戦(楽天モバイル)で0-5と敗れ、2年連続Bクラスが決まった楽天。就任3年目の石井一久監督は今季限りでの退任が決定的となった。

【写真】2014年4月、本拠ニューヨークで初登板したヤンキースの田中将大はこちら

 楽天の懸案事項は主力の高齢化だろう。先発陣を見ると38歳の岸孝之、34歳の田中将大、32歳の則本昂大とベテランが並ぶ。ドラフト1位右腕の荘司康誠が頭角を現したが、エース格として期待された左腕・早川隆久が投球回数100イニングに到達せず、藤平尚真、瀧中瞭太が共に2勝のみと殻を破り切れない。若手の突き上げがないため、チームに閉塞感が漂う。岸は20試合登板で9勝5敗、防御率3.07、則本は24試合登板で8勝8敗、防御率2.61と及第点をつけられるが、大きな誤算が田中将だった。24試合登板で7勝11敗、防御率4.91。139回1/3と規定投球回数に届かず、先発投手が6イニング以上を投げ、かつ3自責点以内で記録されるクォリティースタート(QS)率は45.8%。15被本塁打はリーグワーストだった。

 スポーツ紙記者は、田中の投球についてこう指摘する。

「直球の球威が落ち、制球力もアバウトになっている。体のコンディションが良くないのかなと感じてしまうぐらいです。楽天、ヤンキースの先発ローテーションで15年間以上投げてきたので勤続疲労はあるでしょう。責任感が強い選手なので自分から言わないかもしれませんが、肩、肘のメンテナンスを含めて時間が掛かってもいいので万全にした方が良いと思います。今の状態で投げ続けても、来季は厳しい」

次のページ
日米通算200勝まであと3勝