【よしおの答え】
 うさりおピーヤ、君はすっごく難しいことにチャレンジしようとしていることに気づいているかな? 人間は「苦手」な人は避けようと思う人のほうが多いはず。だけど、どんな人とも仲良くなりたい、って思えるうさりおちゃんは、とっても柔らかくて平和な心を持っているんだろうな、ってよしおは感心したよ。

 苦手な子たちとも仲良くなれる方法を、よしおと一緒に考えてみよう。ただ、みんなと仲良くするっていうのは本当に難しいこと。それをまずは心に留めておいてね。

 人間って不思議なもので、集団になると必ずといっていいほど“派閥”が生まれるもの。クラスでも、なんとなくグループが分かれたりしていないかな? うさりおちゃんが苦手な子たちと仲良くできたとしても、もしかしたらグループとグループの間に挟まれて身動きがとれない、ってことがあるかも。

 よしおは小学生のころ、わりといろんな人と仲良くできていたんだけど、6年生のころ、1組と3組の仲が悪い時期があったんだ(男子の一部で)。よしおは1組だったんだけど、3組にAくんっていう、クラス同士の仲が悪くなる原因につながるような行動をしている子がいたんだ。だけどよしおはそのAくんと住んでいる家が近くてね。1組の子とも仲良くしたいし、Aくんともいい関係でいたかった。

 そこでよしおは、クラスのみんながAくんの悪口を言っていても、「まあまあまあ」って受け入れながらも同調はしないで聞き流していたんだ。そうすると、よしおの立場は「Aくんの悪口を聞いているようだけど、Aくんのことは悪く言っていない」っていう曖昧(あいまい)な感じになったんだ。でもそれがよかった。どちらかを否定しているわけじゃないから、1組のみんなとも、Aくんとも仲が悪くなることがなかったんだよね。で、そのうち1組とAくんの仲も悪くなくなったんだ。

 どちらにもつかないようにヤナギの木のように揺れながら、はっきり決めすぎないで、曖昧でいることがポイント。硬いものって折れやすいけど、柔らかいものは折れずに形を変えることができるよね。みんなと仲良くするときには、そんな「曖昧力」っていうやつが案外大切かも、って思ったよ。

 実はこれ、大人になってからも結構使えるワザ。大人でも集団の中に派閥ができることは多いんだけど、「曖昧力」を身につけておけば、敵を作らずに済む。たまにそれが疲れちゃうって人もいるけど、よしおはそのほうが楽だなあ、って感じているよ。まあ、これは合う合わないもあると思うんだけど、うさりおちゃんが目指している目標には近づけるかもしれないね。

小島よしおが「苦手な子とも仲良くしたい」という小5女子に伝授する、「曖昧力」のススメとは?”
https://dot.asahi.com/articles/-/12546

小島よしお(こじま・よしお)/1980年、沖縄生まれ千葉育ちのお笑い芸人。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。「そんなの関係ねぇ!」でブレーク。2020年4月からYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」で子どもの学習を支援する動画を公開。キッズコーディネーショントレーナーの資格を持ち、子ども向けのイベントを多数開催している。サブスク制チャンネル「小島よしおの『前向き道場』」もスタート。

(AERA dot.編集部)

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小島よしお

小島よしお

小島よしお(こじま・よしお)/1980年、沖縄生まれ千葉育ちのお笑い芸人。早稲田大学教育学部国語国文学科卒業。「そんなの関係ねぇ!」でブレーク。2020年4月からYouTubeチャンネル「小島よしおのおっぱっぴー小学校」で子どもの学習を支援する動画を公開。キッズコーディネーショントレーナーの資格を持ち、子ども向けのイベントを多数開催している。

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