10対45で敗れたスコットランド戦も前半終了間際にFB五郎丸が好タックルで敵のトライを防ぐなど、体力強化の効果は見えた/9月23日(写真:gettyimages) @@写禁
10対45で敗れたスコットランド戦も前半終了間際にFB五郎丸が好タックルで敵のトライを防ぐなど、体力強化の効果は見えた/9月23日(写真:gettyimages) @@写禁

 強豪・南アフリカを破って日本中を沸かせたラグビー日本代表。23日の2戦目は敗れたが、「覚醒」の真価が問われるのはこれからだ。日本代表が力をつけた、その背景を追った。

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 19日の南アフリカ戦。3点差をつけられていた試合終了直前、相手が反則を犯した。スタンドにいた日本代表ヘッドコーチのエディー・ジョーンズ(55)は指を3本立てた。

「3点を狙え」

 ペナルティーゴールで引き分け狙いの指示だったが、選手たちは一時退場で1人少ない敵からトライを狙い、34対32で勝った。

 勝敗を分けたこの瞬間、エディーと選手の間に溝が生まれたようにもみえる。でも、実際は違っていた。

「最後は選手の思ったようにやれ」

 試合当日の朝、主将のリーチ・マイケルは、エディーからこう言われていたのだという。

「(日本代表の)選手には、世界を驚かせる力が眠っている。私は彼らに『起きなさい』と働きかけてきただけ」

 エディーが言うには、日本の選手はスキルが素晴らしくポテンシャルも十分。ところが、世界を目指して一生懸命に取り組まない。

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