体力や集中力と同様、年々落ちてゆく記憶力。しかし、記憶力が落ちてきたからといって落ち込む必要はありません。本書『読むだけで記憶力がグングン高まる!』の著者・樺旦純さんは、記憶力はトレーニング次第で、上げることができるのだといいます。



 記憶力を上げるための方法、早速いくつか見てみましょう。まずは、五官をフル動員すること。記憶を速く確実なものにするためには、もてる感覚器官を総動員すべきとのこと。単に目で読むだけでなく、声に出したり、手で書いたりと、視覚・聴覚・運動感覚などをフルに使えば使うほど、脳のなかにたたき込むことができるのだといいます。



 続いて、反復を5回くり返すこと。反復の回数を増やすほど記憶は良くなり、なかでも5回をこえると急激に記憶が上昇するそうです。



 あるいは、「すでに頭に入っているものと結びつける」という記憶術も。系統的で一連性があり、順序をたやすく思い出せるもの(自分のからだ、駅名の順など)に、覚えるべきものを結びつけることにより、記憶することが容易になるそう。



 たとえば、買い物をする際、買いたい品として「豆腐、サラダ油、胡椒、バナナ、海苔、タマゴ、トイレットペーパー、長ねぎ、ノート、味噌」という10種類を記憶したいとき、これらの品と、自分のからだの各部位とをしっかりと結びつけるのだそうです。このときのコツは、なるべく奇想天外な方法で結合すること。



頭:豆腐(頭の上に豆腐をのせた。ブヨブヨしていて、とても不安定な感じだ)

目:サラダ油(目の中にサラダ油が入って、沁みてたまらない)

鼻:胡椒(鼻で胡椒を吸いこんだ。クシャミの連発だ)

耳:バナナ(耳の穴にバナナを押し入れた。何も聞こえなくなってしまった)

口:海苔(海苔巻を食べたら、口の中に海苔がくっついてなかなか離れない)

首:タマゴ(タマゴをいくつもジュズつなぎにして、首にぶら下げた)

胸:トイレットペーパー(胸のまわりをトイレットペーパーでグルグル巻きにした)

へそ:長ねぎ(長ねぎをへそにつき立てる)

尻:ノート(ノートの上にどっかりと尻をおろして、座り込んでしまう)

足:味噌(足でグチャグチャ味噌をふんづけている)



 本書で紹介されるさまざまな記憶法と、トレーニング方法。自分に合った記憶法を見つけ、実際に試してみてはいかがでしょうか。記憶力の上昇を実感できるかもしれません。