Cさん:私もそう思います。高齢化が進む中で、ますます需要が高まる仕事であるはずなのに、介護職に対する世間の偏見はいまだに強い。私もプライベートの場面で、「介護の仕事をしている」と言ったとき、相手から「なぜそんな仕事を選んだのか」といった雰囲気や、「それは可哀想に……」という空気を感じ、惨めな気持ちになることがあります。

Bさん:以前の同僚で、婚約相手から「介護の仕事を辞めてほしい」と言われて辞めた人がいました。婚約相手の中で、介護職が汚いイメージだったのと、「妻にキツイ仕事をさせている夫」という見られ方をしたくないというのが理由だったようです。介護はいずれ皆が通る道で、なくてはならない仕事であるはずなのに、なんでそんな見られ方をしないといけないのか……。

Aさん:私も施設の人材育成に携わる一方で、自分の子どもが介護業界に行きたいと言ったら、止めてしまうかもしれない。それこそ年齢を重ねてからでも入れる業界なので、何も20代、30代で経験しなくてもと思ってしまう自分もいます。

──介護職に嫌われる利用者とは?

Bさん:介護の仕事は、気持ちの切り替えが早くないと続かない。キレやすかったり、理不尽な要求をぶつけてくる高齢者は、本当によくいます。直接的にいろんな人と関わる仕事である分、喜怒哀楽がダイレクトに伝わってくる仕事でもあります。

Cさん:私たち介護職の手が入るということは、思うように体を動かせない状態ということでもあり、そのもどかしさを私たちにぶつけてくる人もいるように感じます。優しく接しているつもりでも、「バカにするな!」「ヘラヘラ笑うな!」って怒鳴られたり。

Aさん:「こっちは金を払ってるんだから、言われたことは何でもやれ」という姿勢の人って、結構いますよね。介護職をまるで召使のように扱う人。プライドが高い人ほど、その傾向があるように感じます。以前、会社の社長を務めていたという男性を担当したとき、命令口調がひどくて精神的にすごく疲れました。その妻もまた、高圧的な態度で、明らかに私たちを下に見ているのが伝わる。「やってもらって当たり前」という態度が変わらないと、こちらもつらいものがあります。

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