※写真はイメージです (GettyImages)
※写真はイメージです (GettyImages)

「年を取れば、そりゃ垂れるでしょ」。最初は確かにそう思った。だが、あらためて「なぜ垂れるのか」を調べたら、予想以上にさまざまな要因が重なっていた。美と健康を両立するエイジングケアの道はあるのか、探ってみた。

【乳房のリストアップ術(外科手術)のメリット・デメリットは?】

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「胸の下垂が気になって、温泉旅行などにも行けません」

 週刊朝日のアンケートにそうコメントを寄せてくださった、48歳の女性・Kさん。

「なんとなく気になりだしたのは35歳を過ぎたころから。若いときから胸は大きいほうだったと思いますが、40歳を過ぎたあたりからはコンプレックスになりました」

 下着を購入するたびに専門店でサイズをチェックするなど、下着選びには気を使っているが、

「脱いでしまえば補正効果はゼロ。外科手術など根本的な解決方法に興味があります」

 胸を美容医療で整えるとは、どういうことなのか。自由が丘クリニック院長・佐藤英明医師に話を聞いた。

(週刊朝日2021年9月24日号より)
(週刊朝日2021年9月24日号より)

 バストの土台にあるのは大胸筋だ。その筋膜の上に、脂肪や乳腺からなる乳房があり、それらの組織をクーパーじん帯と呼ばれるじん帯が支えている。佐藤医師によれば、乳房が下垂する理由はさまざまだという。

  • 閉経を過ぎると乳腺がしぼみ、脂肪と入れ替わる。脂肪のほうが柔らかいため、垂れやすくなる。
  • バストの大きい人や乳腺より脂肪が多いタイプはじん帯が伸びやすく、垂れやすい。
  • 加齢とともに皮膚の弾力が衰え、垂れる。
  • 加齢により乳腺・脂肪ともにしぼんで垂れる。
  • 乳腺が大胸筋の筋膜から滑り落ちてしまい、垂れる。

 こんなにも「垂れる」理由があったとは!

「どんな理由で、どの程度垂れているのか、まずは状態を判断して、適切な対処法を考えます。バストが大きいために垂れている場合は、脂肪や乳腺の一部を切除して乳房を縮小、皮膚を縫い縮めてバストアップを図ります。一方、全体がしぼんでハリがなくなっている場合は、豊胸手術でボリュームアップさせます」(佐藤医師)

(週刊朝日2021年9月24日号より)
(週刊朝日2021年9月24日号より)

 乳房下垂の診断基準には「Regnault分類」が用いられる。

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