院内感染が明らかになった和歌山の病院 (c)朝日新聞社
院内感染が明らかになった和歌山の病院 (c)朝日新聞社
ダイヤモンド・プリンセス号の客からのSOS (c)朝日新聞社
ダイヤモンド・プリンセス号の客からのSOS (c)朝日新聞社

 国内でも日々、感染者が見つかりすでに広がっている新型コロナウイルス。不安が増殖され、SNS上には根拠もないデマも流れている。間違った情報に踊らされず、正しい情報を得て対応することが大切だ。

【写真】ダイヤモンド・プリンセス号の客からのSOS

(1)「陽性」と診断されたらどうすればいい?
 肺炎など症状の重い人は入院治療が必要だが、症状は風邪と一緒なので、ほとんどの人は軽症で自然に治癒している。

「重症化するのは、高齢で持病などを持った人ということがだんだんとわかってきました。毒性は強くないと思われるので、普段、健康な人は慌てる必要はありません」(医療ガバナンス研究所理事長の上昌広医師)

(2)陰性だったら安心していいの?
 1月30日に2便目のチャーター機で武漢から帰国した50代女性は発熱があり、ウイルス検査をしたが陰性だった。ところが呼吸が苦しくなり、2月4日にたんを採って再検査すると陽性になった。PCR検査も完全ではないのだ。

「ウイルスが少なかったりウイルスがいるところから検体が採れなかったりすれば、検出できないこともある。陰性だから感染していないという証明にはならないのです」(ナビタスクリニック理事長の久住英二医師)

(3)妊婦が感染すると重症化する?
 妊娠中に肺炎になったら、重症化するのか。

「新型コロナでは、いまのところ報告がありません。SARSでは重症化する割合は若干高かったが、胎児に障がいが生じるという報告はありません。ただし、人工呼吸器を付けるほど重症になると、流産のリスクが高まります」(久住氏)

(4)無症状の人からも感染する?
 チャーター便やクルーズ船で無症状の人も感染が確認されており、ウイルスを持っているのは確かだ。自治医科大学付属病院臨床感染症センター感染症科診療科長の森澤雄司医師はこう語る。

「無症状の人から感染したと思われるケースもあるが、どのくらいの頻度で起きているのか論文の形になっているものがそれほどあるわけではないので難しい」

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