菊池桃子さん (c)朝日新聞社
菊池桃子さん (c)朝日新聞社
新原浩朗さん (c)朝日新聞社
新原浩朗さん (c)朝日新聞社

 タレントの菊池桃子さんと結婚した経済産業省経済産業政策局長の新原浩朗氏は、安倍晋三首相にも近く、事務次官レースの先頭を走る。そのエリート官僚が、好感度の高いマドンナを射止めたドラマチックなラブロマンスだが、その結婚発表のタイミングについてはある臆測が広まっている。

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 新原局長は、東大経済学部卒。2016年の内閣府政策統括官時代は「働き方改革」や「幼児教育の無償化」など安倍政権の主要政策を推し進めてきた。2人の出会いは、15年に始まった「1億総活躍国民会議」。菊池さんは民間議員の一人に抜擢され、事務方として出席していた新原局長と親交が深まったという。

 新原局長について、経産省の関係者は「理論派であり行動力も兼ね備えた優秀な人材で、正しいと思ったことは周囲の反対を押し切ってでもやり抜く直球タイプ」と仕事面での評価は高い。その一方で、私生活では独身を続けており、仕事人間とみられていた。旧通産省の1年後輩の西村康稔経済再生相は、「いわゆる独身生活を謳歌しておられると思っていたので、大変驚いた」と話す。

 菊池さんは1980年代を代表する正統派アイドルの一人。12年、女優の五月みどりさんの長男でプロゴルファーの西川哲氏と離婚後、法政大学大学院政策創造研究科で雇用問題を専攻し、修士号を取得。母校の戸板女子短期大学の客員教授に就任し、労働分野の講義を担当するなど、向学心が強い。「1億総活躍国民会議」で出会った仕事のデキる新原局長にひかれたとしても不思議ではない。

 文句のつけようのないカップル誕生だが、「結婚発表のタイミングがなぜ今なのか」については首をかしげる向きは多い。

 霞が関の事情通は「経済産業政策局長といえば、経済政策や税制における経産省の司令塔役であり、年末の予算編成を控えて、これからむちゃくちゃ忙しくなるときに、自らメディアの餌食になるようなプライベートのネタを公表するのはおかしい。どう考えても、(予算編成が落ち着く)クリスマス後に発表するのが自然だ」と首をかしげる。

 安倍内閣は9月の内閣改造以降、菅原一秀経産相、河井克行法相と続く閣僚辞任ドミノや萩生田光一文科相の「身の丈」発言の余波など、政権基盤を揺るがす失態が続く。第1次政権が退陣にまで追い込まれた悪夢の再来への危機感がにじむ中、好感度の高い菊池さんとエリート官僚の結婚が煙幕効果となり、うまくいけば政権の支持率アップにつなげたい、という意図が透けて見えそうだ。(小島清利)

週刊朝日  2019年11月22日号