原監督の笑顔が目立つ今シーズン。巨人はこのまま独走するのか── (c)朝日新聞社
原監督の笑顔が目立つ今シーズン。巨人はこのまま独走するのか── (c)朝日新聞社
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 5年ぶりのリーグ優勝を狙う巨人が首位を快走している。2位以下が混戦で星のつぶしあいが続いているため、巨人がよほど失速しない限りこのまま逃げ切る可能性が高い。そこで浮上しているのがクライマックスシリーズ(CS)の廃止論だ。ネット上では「巨人が独走して2位に大差をつけた状態で優勝したらCSを戦う必要があるのだろうか。やるにしてもゲーム差を考慮する必要はあると思う」とCSのルール改正を求める声が多い。

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 現状のルールでは、ファーストステージでレギュラーシーズンの2位と3位の球団が2位球団の本拠地で3試合戦う。1勝1敗1分けなど同じ勝敗数になった場合は2位球団が勝ち上がる。そしてファイナルステージではリーグ優勝球団とファーストステージの勝者がリーグ優勝球団の本拠地で6試合戦う。リーグ優勝球団には1勝のアドバンテージがあり、この1勝を含めて4勝したほうが日本シリーズに進出する。

 議論の俎上(そじょう)に上がるのがファイナルステージのルールだ。リーグ優勝球団へアドバンテージ1勝というルールに、各球団の首脳陣の間では「絶対的有利とも言えない。ペナントレースのゲーム差に応じ、優勝チームのアドバンテージを2勝、3勝にしても良いのではないか」と指摘する声が少なくない。実際に17年のセ・リーグは広島がリーグ優勝を飾ったが、CSファイナルステージで3位・DeNAに2勝4敗で敗れて日本シリーズに進出できなかった。広島はレギュラーシーズンでDeNAに14.5ゲーム差をつけていただけに、「今年の成績ならCSが必要だと思わない」「CSをやるなら広島にもっとアドバンテージをつけるべきだ」と批判的な声が聞かれた。

 今年は巨人が2位に大差をつけてリーグ優勝を飾るケースが十分に想定できる。ただ、対戦成績で4勝9敗1分けと苦手にしている広島とCSファイナルステージで対戦すれば足をすくわれる可能性も。巨人にとっては割に合わないかもしれない。何が起こるかわからない短期決戦はその番狂わせが醍醐(だいご)味ではあるが……。(梅宮昌宗)

週刊朝日  2019年8月9日号