「母子家庭で育ててくれた母親を温泉旅行に連れていってやりたい、この春に高校と大学に進学した2人の弟の学費も出してあげたい、と今どき珍しいタイプ」(スポーツ紙デスク)
なのに、騎乗停止。期間は裁定委員会によって決められるが、その間は騎乗しなければ交付されない騎乗手当と騎手奨励手当がゼロだから、大幅な収入減は免れない。一家の大黒柱になろうとしていた彼にとっては痛い。もっとも、結果に金がかけられている騎手のミスは、普通のスポーツのエラーとは比べものにならない責任の重さがある、ということだ。
「騎乗停止の処分が明けてもイバラの道ですよ」と心配するのは競馬ライターの片山良三氏だ。
「馬主は『え、あの山田!?』と敬遠するでしょう。信用を取り戻すのは大変。すごい試練を1年目から背負ったもので、頑張ってほしいですね」(黒田朔)
※週刊朝日 2018年11月2日号